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帳面
「帳面〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
帳面の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ひょっとこ」より 著者:芥川竜之介
、その番頭がお得意先を廻りにゆくと云って家を出たなり、いつまでたっても帰らない。
帳面を検べてみると、大穴があいている。手紙はやはり、馴染の女の所へやったのである....
「水の三日」より 著者:芥川竜之介
一つずつ持って、部屋部屋を回って歩く。ジプシーのような、脊の低い区役所の吏員が、
帳面と引合わせて、一人一人罹災民諸君を呼び出すのを、僕たちが一枚一枚、猿股を渡す....
「野呂松人形」より 著者:芥川竜之介
いた人が、「どうぞこちらへ」と声をかけた。
受附のような所で、罫紙《けいし》の
帳面に名前を書いて、奥へ通ると、玄関の次の八畳と六畳と、二間一しょにした、うす暗....
「葬儀記」より 著者:芥川竜之介
ろうと思ったが、実際はそれと全く反対だった。ぐずぐずしていると、会葬者の宿所を、
帳面につけるのもまにあわない。僕はいろんな人の名刺をうけとるのに忙殺された。
....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
云って猶更《なおさら》また嬉しいともつかず、ただ妙にわくわくした心もちになって、
帳面も算盤《そろばん》も手につきません。そこでその日は、まだ熱がとれないようだと....
「星座」より 著者:有島武郎
ッケットの中から、机の抽出しから、手帳の間から、札びらや銀貨を取りだした。あの几
帳面《きちょうめん》に見える園には不思議な現象だと人見の思うのはこのことだけだっ....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
かせて病人を置いて行った。
後には子供一人、その時が、戸長様《こちょうさま》の
帳面前|年紀《とし》六ツ、親六十で児《こ》が二十《はたち》なら徴兵《ちょうへい》....
「紅玉」より 著者:泉鏡花
おうとも。かぶった処で、背負った処で、人間のした事は、人間同士が勝手に夥間うちで
帳面づらを合せて行く、勘定の遣り取りする。俺たちが構う事は少しもない。 三の烏 ....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
の立盤子を飾って、碁盤が二三台。客は居ません。ちゃら金が、碁盤の前で、何だか古い
帳面を繰っておりましたっけ。(や、お入り。)金歯で呼込んで、家内が留守で蕎麦を取....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
る。 「何じゃいし。」と振向くと、……亭主いつの間にか、神棚の下に、斜と構えて、
帳面を引繰って、苦く睨み、 「升屋が懸はまだ寄越さんかい。」 と算盤を、ぱちり....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
ところで、青麟――青麟と中洲の関係は、はじめ、ただ、貸本屋から本を借りるには、
帳面へ、所番地を控える常規だ。きっと、馴染か、その時が初めかは分らないが、店頭で....
「彼の長所十八」より 著者:芥川竜之介
一、語学の英露独など出来る事。但どの位よく出来るか知らず。 二、几
帳面なる事。手紙を出せば必ず返事をくれるが如き。 三、家庭を愛する事。殊に母堂....
「恒藤恭氏」より 著者:芥川竜之介
なるよりも一層規則的に見えしなるべし。僕は恒藤の親友なりしかど、到底彼の如くに几
帳面なる事能わず、人並みに寝坊をし、人並みに夜更かしをし、凡庸に日を送るを常とし....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
も、自分のした講義の控も、諸学者と往復した手紙も、あるいはまた金銭の収入を書いた
帳面までも、王立協会に全部保存されて今日に残っている。 リボーの店には、外国か....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
物で、大きな教室が一つきりの粗末な丸太づくりだった。窓はガラス張りのもあったが、
帳面の紙をはぎあわせてあるのもあった。不在のときには、きわめて巧妙に、細枝でつく....