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常人
「常人〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
常人の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
般の人事に幻滅した彼等も大抵芸術には幻滅していない。いや、芸術と云いさえすれば、
常人の知らない金色の夢は忽《たちま》ち空中に出現するのである。彼等も実は思いの外....
「浜菊」より 著者:伊藤左千夫
同時に旧友なる彼が野心なき幸福を悦んだ。 欲を云えば際限がない。誰にも彼にも非
常人的精進行為を続けて行けと望むは無理である。子を作り、財を貯え、安逸なる一町民....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
ートンが、「いかなる革命家でも家常|茶飯事については、少しも革命家らしくなく、尋
常人と異らない尋常なことをしている」といったのはまことだ。革命家でもない私にはか....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
う臭気を持っているのです。紅子の方は、それを嗅ぎわける、鋭い鼻のようなものです。
常人には、嗅いでもわからないのに、特異性をもった紅子のような霊媒を使うと、わかる....
「地球要塞」より 著者:海野十三
朧《もうろう》と立っているのであった。しばらくすると、その姿は、はっきりとして、
常人と同じになった。とたんに久慈たちは、非常な驚愕《きょうがく》の色をあらわし、....
「毒瓦斯発明官」より 著者:海野十三
年間は麻痺している。人によっては三年も五年もつづく。そうなると、その患者はもはや
常人として責任ある任務をまかせて置けなくなる。どうだ、すごいだろう」 博士は、....
「英本土上陸作戦の前夜」より 著者:海野十三
四日目、五日目は、ドイツ機の空襲が、ようやく気に懸るようになった。彼はようやく
常人化したのであった。 六日目は、朝から市中へ出て、爆撃の惨禍などを見物して廻....
「ヒルミ夫人の冷蔵鞄」より 著者:海野十三
忌憚なき言葉をはいた。 不良少年として、なにごとにもあれ知らぬこととてはなく、
常人としては耐えがたい訓練を経てきた千太郎――ではない万吉郎であったけれど、その....
「不思議なる空間断層」より 著者:海野十三
間に不思議な断層を発見したために、ただ訳もなく狼狽してしまったのだ。もしお前が、
常人のように気をしっかり持っていたのだったら、その空間の喰い違いに、はっとして本....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
違いなかった。のみならずこの欲望さえ真実かどうかは疑わしかった。若し僕の神経さえ
常人のように丈夫になれば、――けれども僕はその為にはどこかへ行かなければならなか....
「画道と女性」より 著者:上村松園
だと思います。懸命の努力勉強も、誰にだって負けるものかという固い決心強い意志も、
常人以上の人でないと、若い志願者からの相談に会っても容易に勤められもせず、中途半....
「画筆に生きる五十年」より 著者:上村松園
と思いました。挨拶、応答など、聞いておりますと、これでも狂人かしらと思われるほど
常人と変わらない人も、目を見るとすぐ解りました。 「母子」 祇園祭り....
「花筐と岩倉村」より 著者:上村松園
り、何かこつこつやっている姿をみていると、 (これが狂人か?) と思うくらい、
常人と変ったところを感じない。 外観上――五体のどこにも、
常人と変ったところが....
「虹と感興」より 著者:上村松園
龍です。とても凄じい筆勢のもので、非凡のものでした。あれを見ても雅邦という方の尋
常人でなかったことがうなずかれます。 この天井絵は、べったり置かれたもので、そ....
「甲州郡内妖怪事件取り調べ報告」より 著者:井上円了
の変態異常なくんばあるべからず。しかるに、その女の言語、動作を熟察するに、かつて
常人と異なるところなく、毫も精神異常の徴候を発見することあたわざるはなんぞや。さ....