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「常住不断〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

常住不断の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
外套」より 著者:ゴーゴリニコライ
彼はすっかり慣れっこになった。けれど、そのかわりにやがて新しい外套ができるという常住不断の想いをその心に懐いて、いわば精神的に身を養っていたのである。この時以来....
観画談」より 著者:幸田露伴
いるように雨は降り通していて、自分の生涯の中の或日に雨が降っているのではなくて、常住不断の雨が降り通している中に自分の短い生涯がちょっと挿まれているものででもあ....
縮図」より 著者:徳田秋声
か思えず、二三年前に崩壊した四年間の無駄な結婚生活の失敗にも懲りず、とかく結婚が常住不断の夢であったために、同じことを繰り返した自分が、よほど莫迦なのかしら、と....
ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
で御座いますが、しかもその潜在意識というものは、いつも、本人に気付かれないままに常住不断の活躍をして、その人間を根強く支配している事実が、既に数限りなく証明され....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
分で吹いて、自分の音色に聞き惚れていると、金の鈴を振るような制多伽童子の音声が、常住不断に耳もとで鳴りひびいています。心なき駕籠屋も、心して駕籠を揺れないように....
或る男の手記」より 著者:豊島与志雄
そういう私に、彼女は殆んど一瞥をも与えなかった。二三日考えてみるという言葉を、常住不断に実行してるかのようだった。いつも口をきっと結び眼を見据えて、額に冷酷な....
録音集」より 著者:豊島与志雄
元気である。その音とその実景と、これほど相反するものは他に少い。 *常住不断に秒をきざんでる時計に、もし意識があって、自分で自分の音をきき続けたら如....
風俗時評」より 著者:豊島与志雄
というのか。酒や煙草を全廃せよとでもいうのか。全部下駄ばきにでもなれというのか。常住不断に深刻な顔をでもせよというのか。 帝都の有様は、事変下にあっても悠然と....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
す者は、みずから自身を喜ばせなければいけない。しかるに、フォーゲル一家のいわゆる常住不断の義務、小学校教師みたいな圧制、やかましい口調、役にもたたない議論、不快....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
どへのやさしい執着、慎み、我《が》を通し他人を邪魔することの恐れ、感情の貞節さ、常住不断の控え目、などがあった。すべてそれらの愛すべき美《うる》わしい特質は、あ....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
って、生一本《きいっぽん》な行動をしていた。一にも二にも真面目《まじめ》であり、常住不断に真面目だった。真面目ということもまた、当時の思想が激賞する美徳の一つだ....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
ごとに、戦いのうちにはいるということは、民衆のよくなし得るところではない。国民は常住不断に英雄や殉教者の気質を持ってるものではない。 国民は実際的である。先天....
失われた半身」より 著者:豊島与志雄
囁いて、彼女はしばしば蛇のようにおれの体をしめあげたが、然し、獣ではあるまいし、常住不断に性慾を、いや妥協して、情熱を持ち続けられるものではあるまい。おれが冷淡....
在学理由」より 著者:豊島与志雄
、何等かの意義を持っている。習慣のうちでも、最も恐ろしいのは飲酒と喫煙だ。それは常住不断の習慣――中毒にまで立至る習慣――になり得るからだ。所有慾や色慾……窃盗....