常得意[語句情報] »
常得意
「常得意〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
常得意の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ヰタ・セクスアリス」より 著者:森鴎外
いないと、惰弱だといわれる。 寄宿舎には貸本屋の出入が許してある。僕は貸本屋の
常得意であった。馬琴《ばきん》を読む。京伝を読む。人が春水を借りて読んでいるので....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
馬籠にはほかによい旅籠屋もなかったから、新宅と言って泊まる旅人も多く、追い追いと
常得意の客もつき、小女まで置き、その奉公人の給金も三分がものは翌年は一両に増して....
「田舎教師」より 著者:田山花袋
と言って、毎月のものをおいて行かない。あれほど好きであった雑誌をろくろく買わず、
常得意の町の本屋にもカケをこしらえない。母親は息子のこのごろどうかしているのをそ....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
あるか知らぬが、そのために一日店を閉め切り、当てにしてわざわざ出向いて来て下さる
常得意のお客に無駄足をさせる。こんな仕方をすれば多年どれほど売り込んだ老舗であっ....
「魚妖」より 著者:岡本綺堂
。あの旦那方のみえるまで囲っておけ。」 近江屋も山口屋も近所の町人で、いずれも
常得意のうなぎ好きであった。殊にどちらも鰻のあらいのを好んで、大串ならば価を論ぜ....
「植物知識」より 著者:牧野富太郎
で、主として蝶々《ちょうちょう》が花を目当《めあ》てに頻々《ひんぴん》と訪問する
常得意《じょうとくい》である。それで美麗《びれい》な花色《かしょく》が虫を呼ぶ看....
「明治の文学の開拓者」より 著者:内田魯庵
らであるが読んでいた。(これが私の西洋の小説を読んだ初めで。)であるから貸本屋の
常得意の隠居さんや髪結床の職人や世間普通の小説読者よりは広く読んでいたし、幾分か....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
、愛国銀行が潰れたという号外で、仲買人は青菜に塩のような顔をしている。 北浜の
常得意である安治川舟三はとくにその日の打撃がはなはだしかった。北九州の鉱業会社の....