常情[語句情報] » 常情

「常情〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

常情の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
近時政論考」より 著者:陸羯南
、自由なるものは身心の主にして彼我の性法なり、自由なるものは世間の義にして自他の常情なり」云々と。これ人民の自治を説きもって立法の一人に私定すべからざるゆえんを....
運命」より 著者:幸田露伴
りは、知る可きの道に従いて、古聖前賢の教の下に心を安くせんには如かじ。かつや人の常情、敗れたる者は天の命を称して歎じ、成れる者は己の力を説きて誇る。二者共に陋と....
浮雲」より 著者:二葉亭四迷
》わぬ所が有ッて、落着《おちつき》が悪かッたろう。悪ければ良くしようというが人の常情で有ッてみれば、仮令《たと》え免職、窮愁、耻辱《ちじょく》などという外部の激....
なかじきり」より 著者:森鴎外
老いはようやく身に迫ってくる。 前途に希望の光が薄らぐとともに、みずから背後の影をかえりみるは人の常情である。人は老いてレトロスペクチイフの境界に入る。 わたくしは医を学んで仕....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
詠んでいるのだが、それは妻に亡くなられて悲しい余りに、自分の身をも悲しむのは人の常情であるから、この歌は単に大観的に無常を歌ったものではないのである。其処をはっ....
今戸心中」より 著者:広津柳浪
、外聞の意地ばかりでなく、真心《しんしん》修羅《しゅら》を焚《もや》すのは遊女の常情《つね》である。吉里も善吉を冷遇《ふッ》てはいた。しかし、憎むべきところのな....
女大学評論」より 著者:福沢諭吉
なきようなれども、是れが人間の天性に於て出来ることか出来ぬことか、人間普通の常識常情に於て行われることか行われぬことか、篤《とく》と勘考《かんこう》す可き所なり....
妾の半生涯」より 著者:福田英子
つね》の産《さん》なければ恒の心なく、貧《ひん》すれば乱《らん》すちょう事は人の常情《じょうじょう》にして、勢《いきお》い已《や》むを得ざるものなり。この故に人....
瘠我慢の説」より 著者:福沢諭吉
わぶし》の筆法を以て弾劾《だんがい》するを須《ま》たず、世界|立国《りっこく》の常情《じょうじょう》に訴《うった》えて愧《はず》るなきを得ず。啻《ただ》に氏の私....
随筆 宮本武蔵」より 著者:吉川英治
なし、小六正和、その居宅の檐下に躊躇せるを怪しみて故を問ひ、艱難相救ふは、武士の常情なり、宜しくわが家に留るべしとして、懇切に迎へ入れしかば、松波喜びて、他日必....