常春藤[語句情報] »
常春藤
「常春藤〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
常春藤の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「影」より 著者:芥川竜之介
の煉瓦塀《れんがべい》が、何歩か先に黒々と、現われて来たからばかりではない、その
常春藤《きづた》に蔽《おお》われた、古風な塀の見えるあたりに、忍びやかな靴の音が....
「小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
しきりに波立つ胸の不平を葉巻の煙に吐きもて、武男は崖道を上り、明竹の小藪を回り、
常春藤の陰に立つ四阿を見て、しばし腰をおろせる時、横手のわき道に駒下駄の音して、....
「禰宜様宮田」より 著者:宮本百合子
カッコー……カッコー…… しとやかな含み声の閑古鳥の声が、どこからか聞える。
常春藤《きづた》が木の梢からのび上って見上げようとし、ところどころに咲く白百合は....
「二重心臓」より 著者:夢野久作
紙が在るか無いかの風にヒラヒラと動いているきりである。 これに反してお庭の隅の
常春藤に蔽われたバンガロー風の小舎には燈火がアカアカと灯って、しきりに人影が動い....
「五月の空」より 著者:宮本百合子
朝 園を見まわり 身体を浄め 心 裸身で 大理石の 祭壇に ぬかずく。 或時は
常春藤の籠《こ》にもり 或時は 石蝋の壺に納め 心 はるばると、祈りを捧げる ....
「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」より 著者:佐々木直次郎
人といえば、血縁の者か、でなければずうっと永い間の知り合いであった。彼の愛情は、
常春藤《きずた》のように、時と共に成長したものであって、相手が友人として適当だと....