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常法
「常法〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
常法の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「蘭学事始」より 著者:菊池寛
よこじらせてしまわずにはおられなかった。 長崎表での蘭館への出入《でいり》は、
常法があって、かなり厳しく取り締られていたが、カピタンが江戸に逗留中の旅館である....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
為し目《なづ》けて虎媒といったとある。 虎を殺した者を褒《ほ》むるは虎棲む国の
常法だ。秦の昭襄王《しょうじょうおう》の時白虎害を為せしかば能く殺す者を募る、夷....
「文字禍」より 著者:中島敦
ざむ》き、病を大王から己《おのれ》の身に転じようというのである。この古来の医家の
常法に対して、青年の一部には、不信の眼を向ける者がある。これは明らかに不合理だ、....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
は足を早め裾野をさして下って行った。 上るに苦しく下るには易い。これは山登りの
常法ではあるが富士は一層その感が深く、殊に戦国のこの時代には道らしい道などはなか....
「法窓夜話」より 著者:穂積陳重
「むさしあぶみ」に載せている。即ち石出帯刀のこの処置は、欧陽修のいわゆる「天下の
常法となすべき」ものであって、決して「異を立ててもって高しとなす」ものではなかっ....
「女肉を料理する男」より 著者:牧逸馬
した。これは、男のほうから街上の売春婦を呼びとめる場合の、一つのカムフラアジュ的
常法である。ピンチン街は、ユダヤ人の小商人の住宅などが並んでいて、入口が円門《ア....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
る」
「然し、島津の家憲では、御世子が二十歳になられたなら、家督をお譲り申すのが
常法でござりませぬか」
袋持は、調所に、遠慮のない口調で、いい放った。
「幕府....
「三つの痣」より 著者:小酒井不木
ら肺臓の解剖に移りましたが、肺臓には、明かに窒息の徴候があらわれて居りました。通
常法医学的解剖の際には、執刀者が所見を口述して、助手が之を筆記するのですが、この....
「火葬と大蔵」より 著者:喜田貞吉
最初といわれる道照荼毘の後二十年にも足らぬこの短日月間に、これを或る場合における
常法として法令上強行せしめるまでに、そう急に進展すべきものではなかろう。 自分....
「孔子」より 著者:和辻哲郎
マという史上の一人物の伝記とせずに、過去七仏や毘婆尸仏の生涯と一貫している諸仏の
常法として語ることは、すでに長阿含等初期の経典に見られる傾向だからである。この傾....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
た。 「新田勢のあわてぶりよ。逃げるに急であとの舟橋を断り落して行く大事な退軍の
常法すらも忘れている――」と。 が、尊氏は、 「はて? うかと渡るな」 と、....
「野草雑記・野鳥雑記」より 著者:柳田国男
ことは想像し得られる。これについての意見が異なると、そう簡単には近よって来ぬのが
常法で、これをただ雀の好き嫌いと解し、もしくは稀に雀望のない雀があるかのように、....
「木綿以前の事」より 著者:柳田国男
許されて来た変則語法と省略とがだんだんとえらくなったこと、次には俳諧が突兀意外を
常法とした結果、あまり附き過ぎるのを軽蔑する気風を生じたこと、談林派は勿論その功....