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常盤
「常盤〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
常盤の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「片恋」より 著者:芥川竜之介
た時分に、公園で見初《みそ》めたんだそうだ。こう云うと、君は宮戸座《みやとざ》か
常盤座《ときわざ》の馬の足だと思うだろう。ところがそうじゃない。そもそも、日本人....
「蠅男」より 著者:海野十三
十三歳」 と、たどたどしい筆蹟で書いてある一人の男があった。住所は南洋パラオ島
常盤街十一番地と別な筆蹟で書いてある。帆村が怪しんだのは、彼の井上氏が南洋から来....
「河明り」より 著者:岡本かの子
娘は少し赫くなった。 「……私の母が妙な母でした。漢文と俳句が好きで、それだのに
常盤津の名取りでしたし、築地のサンマー英語学校の優等生でしたり……」 娘はその....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
思います。唯今も申す通り、堅気の呉服屋の手代にはちっと不似合いの道楽者で、近所の
常盤津の師匠のところへ稽古に行くなぞという噂もございます」 「その幾次郎はお店へ....
「貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
は、坂に草を吹靡くより、おのずから静ではあるが、階段に、緑に、堂のあたりに散った
常盤木の落葉の乱れたのが、いま、そよとも動かない。 のみならず。――すぐこの階....
「売色鴨南蛮」より 著者:泉鏡花
引を痩脚に穿いている。……小皿の平四郎。 いずれも、花骨牌で徹夜の今、明神坂の
常盤湯へ行ったのである。 行違いに、ぼんやりと、宗吉が妾宅へ入ると、食う物どこ....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
を托けたんです。菫色の横封筒……いや、どうも、その癖、言う事は古い。(いい加減に
常盤御前が身のためだ。)とこうです。どの道そんな蕎麦だから、伸び過ぎていて、ひど....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
から少し参りますと、モーそこはすぐ爪先上りになって、右も左も、杉や松や、その他の
常盤木のしんしんと茂った、相当険しい山でございます。あの、現界の景色と同一かと仰....
「アド・バルーン」より 著者:織田作之助
。こんな唄をわざわざ教えてくれたのはおきみ婆さんで、おきみ婆さんはいつも千日前の
常盤座の向いの一名「五割安」という千日堂で買うてくる五厘の飴を私にくれて言うのに....
「神経」より 著者:織田作之助
……。 「花屋」を出ると、私は手拭を肩に掛けたまま千日前の通りをブラブラ歩いて、
常盤座の前の「千日堂」で煙草を買った。 「千日堂」は煙草も売っているが、飴屋であ....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
、明治座。 小劇場――真砂座、柳盛座、新市村座、三崎座、新盛座、浅草座、吾妻座、
常盤座、藍染座。 なお、参考のために、明治二十七年一月興行の入場料を左に記すと....
「白峰の麓」より 著者:大下藤次郎
く。掩い冠さるように枝を延している紅葉の色の美しさは、比ぶるにものがない。前には
常盤木の繁れる源氏山が聳えている。後の方は今来た道を、遠く富士が頂きを見せている....
「六日月」より 著者:岩本素白
に流れて来る。何の三味線であろう、この辺りの空気からすると、無論長唄でも清元でも
常盤津でもいけない。といって、ただ一と口に地唄などといっては、当りまえ過ぎて平凡....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
本氏からは『やってこい』との短い返事が届いた。 あすは旅順をたつという晩、私は
常盤公園のベンチに立って同じうどん屋仲間を集め、別れのあいさつをかねて大演説をぶ....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
れから提灯屋もあった。……」 伯母「あすこに銭湯もあったでしょう。」 僕「今でも
常盤湯という銭湯はありますよ。」 伯母「
常盤湯といったかしら。」 妻「あたしのい....