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「常規〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

常規の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
土曜夫人」より 著者:織田作之助
恋しさもただならぬ激しさであった。坂野も銀ちゃんも酒に乱れて行き、京吉の夜歩きも常規を逸していたが、今夜の陽子もいつもの陽子ではなく、妖しく胸騒いでいた。 そ....
競馬」より 著者:織田作之助
症《けっぺきしょう》の果てが狂気に通ずるように、頑《かたくな》なその一途さはふと常規を外れていたかも知れない。寺田が1の数字を追い続けたのも、実はなくなった細君....
家霊」より 著者:岡本かの子
と店の中であることも、東京の山の手であることもしばらく忘れて店の者は、快い危機と常規のある奔放の感触に心を奪われる。あらためて老人の顔を見る。だが老人の真摯《し....
地球盗難」より 著者:海野十三
やりたまえ」 ところが岩蔵はそれを肯んじなかった。なにしろこの怪博士邸内には、常規では到底考えられないような怪しい生物などが飼ってある。それを今、村人に知らせ....
解かれた象」より 著者:寺田寅彦
かめる事ができないのであるが、ともかくも、普通の温順なるべき象としてあるまじき、常規を逸した不良な過激な行為であった事だけは疑いもない事であるらしい。そういう行....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
麟と中洲の関係は、はじめ、ただ、貸本屋から本を借りるには、帳面へ、所番地を控える常規だ。きっと、馴染か、その時が初めかは分らないが、店頭で見たお嬢さんの住居も名....
子規自筆の根岸地図」より 著者:寺田寅彦
っている。表面には「駒込|西片町十番地いノ十六 寺田寅彦殿 上根岸八十二 正岡|常規」とあり、消印は「武蔵東京|下谷 卅三年七月二十四日イ便」となっている。これ....
織田信長」より 著者:坂口安吾
理的なものであったが、家来たちには分らない。 特に家来たちは、信長の幼少からの常規を逸したバカさ加減に目をうたれているだけに、彼の成功にマグレアタリの不安を消....
精神病覚え書」より 著者:坂口安吾
云う以外に言葉がない。 僕はこういう新聞記者の在り方、又、新聞の在り方の方が、常規を逸し、精神病的ではないが、犯罪的なのだ、と判断せざるを得ない。つまり、小平....
光り合ういのち」より 著者:倉田百三
し私には友の心は解りつつも、痛くひびかなかった。 今にして考えるに、私は確かに常規で測られぬ詩人的素質なのらしい。よく二十歳の時、純直にお嫁が欲しいと叔母に打....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
をした。 「発狂というところへまではまいりませぬが、時々精神を昂奮させましたり、常規を逸した行動に出たり、言葉に出ることはござります」 「お前があまりに虐めたか....
安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
ゝ言ったりするのも、これも仕方がないでしょう。そういう興味や噂の対象になるだけの常規を逸したものがたしかにあるのだから。人がとやかく云うもよし、御当人は御当人で....
智恵子の半生」より 著者:高村光太郎
家系には精神病の人は居なかったようであるが、ただ彼女の弟である実家の長男はかなり常規を逸した素行があり、そのため遂に実家は破産し、彼自身は悪疾をも病んで陋巷に窮....
」より 著者:犬田卯
だけのものは貯えておきたい、おかなければならぬ。それが農家としての不文律であり、常規でなければならなかった。でなければ曲りなりにも一家を張っている以上、人様に顔....
夜の構図」より 著者:織田作之助
神、――すべて軽蔑していた。信吉の意に適っているのは、野放図、破天荒、横紙破り、常規を逸したもの、破目を外したもの、尻尾を出すこと――いわゆる反俗精神の裏づけあ....