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「常談〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

常談の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
文章」より 著者:芥川竜之介
ると校長と話していた、口髭《くちひげ》の短い粟野教官はやはり微笑を浮かべながら、常談《じょうだん》とも真面目《まじめ》ともつかないようにこう保吉へ注意をした。 ....
」より 著者:芥川竜之介
無造作《むぞうさ》に片づけてしまったのだった。ふとその事実に気のついた広子は急に常談《じょうだん》を言う寛《くつろ》ぎを感じた。 「じゃ立派《りっぱ》な若旦那様....
」より 著者:芥川竜之介
痛いことは御免蒙《ごめんこうむ》りますかね。」 僕は僕自身を引き立てるためにも常談《じょうだん》を言わずにはいられなかった。が、従兄の弟は酒気を帯びた目を血走....
十円札」より 著者:芥川竜之介
とにしました。」 「どうして?」 「実はその――貧乏《びんぼう》なんです。」 「常談《じょうだん》でしょう。」 粟野さんはかすかに笑い声を洩《も》らした。やや....
河童」より 著者:芥川竜之介
ら、たいした苦痛はありませんよ。」 「けれどもその肉を食うというのは、……」 「常談《じょうだん》を言ってはいけません。あのマッグに聞かせたら、さぞ大笑いに笑う....
湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
本人|倶楽部《くらぶ》に話してある。半月でも一月でも差支えない。」 「一月でも?常談言っちゃいけない。僕は三晩泊めて貰えりゃ好いんだ。」 譚は驚いたと言うより....
或恋愛小説」より 著者:芥川竜之介
ありません。おまけに結末は女主人公の幸福を讃美《さんび》しているのです。 主筆常談《じょうだん》でしょう。……とにかくうちの雑誌にはとうていそれは載せられませ....
蜃気楼」より 著者:芥川竜之介
い出した。そのうちに妻は僕等に追いつき、三人一列になって歩いて行った。僕等は妻の常談《じょうだん》を機会に前よりも元気に話し出した。 僕はO君にゆうべの夢を話....
少年」より 著者:芥川竜之介
と思うと肩の上へ目白《めじろ》押しに並んだ五六人も乗客の顔を見廻しながら、天国の常談《じょうだん》を云い合っている。おや、一人の小天使は耳の穴の中から顔を出した....
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
前掲の広告中、「里見君に非難を加えて下さい」と言ったのは勿論《もちろん》わたしの常談《じょうだん》であります。実際は非難を加えずともよろしい。わたしは或批評家の....
たね子の憂鬱」より 著者:芥川竜之介
気を感ぜずにはいられなかった。 「気の毒だわね、こんなにお客がなくっては。」 「常談《じょうだん》言っちゃいけない。こっちはお客のない時間を選《よ》って来たんだ....
海のほとり」より 著者:芥川竜之介
い合せたように微笑していた。 「彼女たちもまだ帰らなかったんだな。」 Mの声は常談《じょうだん》らしい中にも多少の感慨を託《たく》していた。 「どうだ、もう一....
歯車」より 著者:芥川竜之介
は雨のふる日だって云うんですが」 「雨の降る日に濡れに来るんじゃないか?」 「御常談で。……しかしレエン・コオトを着た幽霊だって云うんです」 自動車はラッパを....
飯田蛇笏」より 著者:芥川竜之介
たら、赤木は透かさず「君と雖も畢に蛇笏を認めたかね」と大いに僕を冷笑した。僕は「常談云っちゃいけない。僕をして過たしめたものは実は君の諳誦なんだからな」とやっと....
島木赤彦氏」より 著者:芥川竜之介
は痛かったらしい。島木さんは腰へ手をやりながら、「斎藤君、大分こたえるぞ」などと常談のように声をかけたりした。この神経痛と思ったものが実は後に島木さんを殺した癌....