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「常連〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

常連の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
土曜夫人」より 著者:織田作之助
から女を口説こうとしなかった。 彼は北浜の株屋の店員だった頃から、貴子のバーの常連だった。ある時、女給が、 「くにの母さんの病気の見舞いに行くから……」 と....
家霊」より 著者:岡本かの子
手先で犬のように綾なしながら、うつらうつら若さをおもう。ときどきは誘われるまま、常連の学生たちと、日の丸行進曲を口笛で吹きつれて坂道の上まで歩き出てみる。谷を越....
」より 著者:岡本かの子
ようなことはない。万事が手軽くこだわりなく行き過ぎて仕舞う。 福ずしへ来る客の常連は、元狩猟銃器店の主人、デパート外客廻り係長、歯科医師、畳屋の伜、電話のブロ....
あやつり裁判」より 著者:大阪圭吉
も来た人だな、とまアそう思ったんです。まったく、傍聴人の中にはいつだって物好きな常連がいくらもいるんですからね……ところが、始めはそう思ってたんですが、どうして....
自叙伝」より 著者:大杉栄
の西村の虎公だの、町の方の杉浦だの、前にそのお母さんのことを話した谷だのが、その常連だった。虎公と杉浦とは僕よりも一年上の級だったが、近所の柴山という老先生の私....
温泉」より 著者:梶井基次郎
にしている。ここも按摩が住んでいるのである。この「宗さん」という按摩は浄瑠璃屋の常連の一人で、尺八も吹く。木地屋から聞こえて来る尺八は宗さんのひまでいる証拠であ....
御萩と七種粥」より 著者:河上肇
その後私たちは、毎月一回、青楓氏の仮寓に集って翰墨の遊びをするようになった。その常連は、私の外には、経済学部の河田博士と文学部の狩野博士で、時には法学部の佐々木....
貞操問答」より 著者:菊池寛
いえ、この二日間の売上げの好かったことを話し、でもこれが当分続くとしても、やがて常連だけになり、そこで初めて店の収入が決まるというような、その場合の新子の気持と....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
築地辺に住んでいる名うての俳優の家族などにもその宣伝がきいたと見えて、その連中が常連として入浴に出掛けて来る。そう聞かされて見れば、子供心にもなるほどとうなずか....
八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
の頃も或る雑誌で考証されていたが、こういう臆断は浪花節が好きだから右傾、小劇場の常連だから左傾と臆測するよりももっと早呑み込み過ぎる。 六 『八犬....
二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
席党で、語学校の寄宿舎にいた頃は神保町の川竹(その頃は川竹とはいわなかったが)の常連であった。新内の若辰が大の贔負で、若辰の出る席へは千里を遠しとせず通い、寄宿....
淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
を品して遊んでばかりいた。大河内子爵の先代や下岡蓮杖や仮名垣魯文はその頃の重なる常連であった。参詣人が来ると殊勝な顔をしてムニャムニャムニャと出放題なお経を誦し....
遁走」より 著者:葛西善蔵
く、近くの釣堀の方へと歩いた。樹木の茂った丘の崖下の低地の池のまわりには、今日も常連らしい半纏着の男や、親方らしい年輩の男や、番頭らしい男やが五六人、釣竿を側に....
審判」より 著者:カフカフランツ
っしょに、ちょっとした散歩をし、そのあとであるビヤホールに行き、年配の紳士が多い常連のテーブルの仲間にはいって、普通、十一時まですわるというふうにして、夜分を過....
早稲田神楽坂」より 著者:加能作次郎
来れば多くはここで飲んだり食べたりするようだ。五、六年前、いつもそこで顔を合せる常連たちの間で田原屋会なるものを発起して、料亭常盤で懇親会を開いたことなどあった....