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常陸
「常陸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
常陸の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
るのを感じた。なんにしても、自分は死にたくない。――
夜はたれとか寝《いね》む
常陸《ひたち》の介《すけ》と寝《いね》む
寝《いね》たる肌《はだ》もよし
男山の....
「富士」より 著者:岡本かの子
女神の身体が進めば闇に取り残され、取残されては急いで、進む女神の身体に追い戻る。
常陸《ひたち》の国の天羽槌雄神が作った倭文布《しずり》の帯だけが、ちらりと女神の....
「本州横断 癇癪徒歩旅行」より 著者:押川春浪
は日本海沿岸の越後国《えちごのくに》直江津《なおえつ》の予定。足跡《そくせき》は
常陸《ひたち》、磐城《いわき》、上野《こうずけ》、下野《しもつけ》、信濃《しなの....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
が来ました。浅草天王橋のかたき討ちというのです。 この仇討は十一月の二十八日、
常陸国《ひたちのくに》上根本村の百姓、幸七の妹おたかというのが叔父の助太刀で、兄....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
夕はめっきり冷たくなりました」 八州廻りの目あかしの中でも古狸の名を取っている
常陸《ひたち》屋の長次郎が代官屋敷の門をくぐって、代官の手附《てつき》の宮坂市五....
「追憶」より 著者:芥川竜之介
家の裏の向こうは年寄りの峯岸の家だったものである。僕の小学校にいた時代はちょうど
常陸山や梅ヶ谷の全盛を極めた時代だった。僕は荒岩亀之助が
常陸山を破ったため、大評....
「最古日本の女性生活の根柢」より 著者:折口信夫
巻十四に出た東歌である。新嘗の夜の忌みの模様は、おなじころのおなじ東の事を伝えた
常陸風土記にも見えている。御祖の神すなわち、母神が、地に降って、姉なる、富士に宿....
「秋の筑波山」より 著者:大町桂月
延元三年、親房は宗良親王を奉じて東下せしに、颶風に遭ひて、一行の船四散し、親房は
常陸に漂着し、ひと先づ小田城に入る。然るに城主小田治久賊に心を寄せければ、関城に....
「死剣と生縄」より 著者:江見水蔭
ぬのが、意外な支障に引掛って、三月余りを殆ど囚虜の身に均しく過ごしたのであった。
常陸の国、河内郡、阿波村の大杉明神の近くに、恐しい妖魔が住んでいるので有った。そ....
「怪異暗闇祭」より 著者:江見水蔭
ちゃんと両親もある、兄弟もある。武州|御岳山で生れたんだ。代々山伏だ。俺の先祖は
常陸坊海尊。それから血統正しく十八代伝わっている。長命が多いので、百歳以上まで生....
「穂高岳槍ヶ岳縦走記」より 著者:鵜殿正雄
を除けば、皆前衛後衛となって、恭しく臣礼を取っているにすぎぬ。槍ヶ岳対穂高岳は、
常陸山対梅ヶ谷というも、強ち無理はなかろう、前者の傲然|屹っ立てる、後者の裕容迫....
「古事記」より 著者:太安万侶
越えて甲斐に出て、酒折《さかおり》の宮においでになつた時に、お歌いなされるには、
常陸の新治《にいはり》・筑波《つくば》を過《す》ぎて幾夜《いくよ》寢《ね》たか。....
「雨の宿」より 著者:岩本素白
りを食って、三日も無言の行を続けたことを思いだしたが、あの黒ずんだ、色彩の無い、
常陸の国の川沿いの丘の宿に比べると、此処は雨もまた優しく懐かしい。といって、今度....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
い。 おりもおり、日露の役に出征していた次兄が戦傷がもとで病死、同年輩の知人が
常陸丸で戦死したことなどをきくと、私の若い血も躍り始めた。『そうだ! 満州へでも....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
家の土蔵の中には大砲万右衛門の化粧廻しもある。」 大砲は僕等の小学時代に、――
常陸山や梅ヶ谷の大関だった時代に横綱を張った相撲だった。 本所警察署もいつの間....