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帽
「帽〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
帽の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
叱ったりしないことはない。が、稀《まれ》には彼自身も少年のいることを忘れたように
帽子屋《ぼうしや》の飾り窓などを眺めている。
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こう....
「影」より 著者:芥川竜之介
、いつか婆《ばあ》やと長谷《はせ》へ行った時に、私たちの後をついて来た、あの鳥打
帽をかぶっている、若い人のような気がするわ。それとも――私の気のせいだったかしら....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
どこか花車《きゃしゃ》な所のある老人で、折目の正しい黒ずくめの洋服に、上品な山高
帽《やまたかぼう》をかぶっていた。私はこの姿を一目見ると、すぐにそれが四五日前に....
「片恋」より 著者:芥川竜之介
ば、可哀そうだよ。
「そうして、その木の所で、ちょいと立止って、こっちを向いて、
帽子をとりながら、笑うんです。それが私に挨拶をするように見えるじゃありませんか。....
「お時儀」より 著者:芥川竜之介
である。
お嬢さんは十六か十七であろう。いつも銀鼠《ぎんねずみ》の洋服に銀鼠の
帽子をかぶっている。背《せ》はむしろ低い方かも知れない。けれども見たところはすら....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
箱を並べた、手広い店になっている。――その店先の雨明《あまあか》りの中に、パナマ
帽をかぶった賢造は、こちらへ後《うしろ》を向けたまま、もう入口に直した足駄《あし....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
である。もっとも「順天時報」の記者は当日の午後八時前後、黄塵に煙った月明りの中に
帽子《ぼうし》をかぶらぬ男が一人、万里《ばんり》の長城《ちょうじょう》を見るのに....
「海のほとり」より 著者:芥川竜之介
……一時間ばかりたった後《のち》、手拭《てぬぐい》を頭に巻きつけた僕等は海水
帽に貸下駄《かしげた》を突っかけ、半町ほどある海へ泳《およ》ぎに行った。道は庭先....
「運」より 著者:芥川竜之介
ない。着ているのは、麻《あさ》の帷子《かたびら》であろう。それに萎《な》えた揉烏
帽子《もみえぼし》をかけたのが、この頃評判の高い鳥羽僧正《とばそうじょう》の絵巻....
「魚河岸」より 著者:芥川竜之介
かった。露柴も、――露柴は土地っ子だから、何も珍らしくはないらしかった。が、鳥打
帽《とりうちぼう》を阿弥陀《あみだ》にしたまま、如丹と献酬《けんしゅう》を重ねて....
「飯田蛇笏」より 著者:芥川竜之介
の雑詠に出る蛇笏の名前に注意し出した。勿論その句境も剽窃した。「癆咳の頬美しや冬
帽子」「惣嫁指の白きも葱に似たりけり」――僕は蛇笏の影響のもとにそう云う句なども....
「鴨猟」より 著者:芥川竜之介
てしまう」などと手を叩いて笑っていた。しかもまた、何だか頭巾に似た怪しげな狐色の
帽子を被って、口髭に酒の滴を溜めて傍若無人に笑うのだから、それだけでも鴨は逃げて....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
ナポレオンをちょっと見た。馬車に乗って、黄鼬の大きな長衣を着こみ、頭には天鵞絨の
帽子を戴き、鳥の羽がさがりて顔もほとんど見えないばかりであった。この外にフンボル....
「寡婦」より 著者:秋田滋
ったのです。私は駈けました、力つきて倒れてしまうほど駈けました。その子の小さな学
帽が泥だらけになって地面に落ちていました。その晩は夜どおし雨が降っていたのです。....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
するものだが、彼もその権勢をもって、なにか争いがあればかならずその審判官になり、
帽子を斜めにかぶって、判決をくだした。そのときの彼の態度や声の調子では、だれも反....