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幌
「幌〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
幌の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ひょっとこ」より 著者:芥川竜之介
音、笛の音《ね》、三味線の音が虱《しらみ》のようにむず痒《かゆ》く刺している。札
幌ビールの煉瓦壁《れんがかべ》のつきる所から、土手の上をずっと向うまで、煤《すす....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
ね》の玄関から帰りの俥へ乗ろうとしていると、急に一台の相乗俥《あいのりぐるま》が
幌《ほろ》を雨に光らせながら、勢いよくそこへ曳《ひ》きこみました。しかも私が俥《....
「子供の病気」より 著者:芥川竜之介
に来た客とジョルジュ・サンドの話などをしていた。その時庭木の若葉の間に二つの車の
幌《ほろ》が見えた。
幌は垣の上にゆらめきながら、たちまち目の前を通り過ぎた。「一....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
だまりには馬車が一台止まっている。もっとも西洋の馬車ではない。藍色《あいいろ》の
幌《ほろ》を張った支那馬車である。馭者《ぎょしゃ》も勿論馬車の上に休んでいたのに....
「或る女」より 著者:有島武郎
子の姿がいつまでもいつまでも葉子の心から離れなかった。夕闇《ゆうやみ》にまぎれた
幌《ほろ》の中で葉子は幾度かハンケチを目にあてた。
宿に着くころには葉子の心持....
「片信」より 著者:有島武郎
ちつみんき》もようやく終わりを告げようとしているかに見える。十年も昔僕らがまだ札
幌にいたころ、打ち明け話に兄にいっておいたことを、このごろになってやっと実行しよ....
「小作人への告別」より 著者:有島武郎
ないと信じますから一言します。
けれどもこれら巨細にわたった施設に関しては、札
幌農科大学経済部に依頼し、具体案を作製してもらうことになっていますから、それがで....
「星座」より 著者:有島武郎
てんじょう》に向けた顔をまた障子の方に向けなおした。
十月の始めだ。けれども札
幌では十分朝寒といっていい時節になった。清逸は綿の重い掛蒲団を頸の所にたくし上げ....
「初めて見たる小樽」より 著者:石川啄木
新たに建てらるべき第二の函館のために祝福して、秋風とともに焼跡を見捨てた。 札
幌に入って、予は初めて真の北海道趣味を味うことができた。日本一の大原野の一角、木....
「弓町より」より 著者:石川啄木
私に不利な結果を齎《もたら》した。郷里《くに》から函館《はこだて》へ、函館から札
幌《さっぽろ》へ、札
幌から小樽《おたる》へ、小樽から釧路《くしろ》へ――私はそう....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
外をながめてみた。そして君の事を思った。 私が君に始めて会ったのは、私がまだ札
幌に住んでいるころだった。私の借りた家は札
幌の町はずれを流れる豊平川という川の右....
「追憶」より 著者:芥川竜之介
た。あるいは僕だけ馬車へ乗せるのを危険にでも思ったためかもしれない。けれども青い
幌を張った、玩具よりもわずかに大きい馬車が小刻みにことこと歩いているのは幼目にも....
「親子」より 著者:有島武郎
り出した。彼は昨夜の父と監督との話を聞いていたのだが、矢部の言うところは(始終札
幌にいてこの土地に来たのははじめてだと言ったにもかかわらず)けっしてけたをはずれ....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
九 「そこの旅宿の角まで、飯田町の方から来ますとね、妾、俥だったんですけれど、
幌が掛っていましたのに、何ですか、なまぬるい、ぬめりと粘った、濡れたものが、こっ....
「北海道に就いての印象」より 著者:有島武郎
北海道といってもそういうことを考える時、主に私の心の対象となるのは住み慣れた札
幌とその附近だ。長い冬の有る処は変化に乏しくてつまらないと人は一概にいうけれども....