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幕
「幕〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
幕の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
33
斜《ななめ》に見た標札屋《ひょうさつや》の露店《ろてん》、天
幕《てんと》の下に並んだ見本は徳川家康《とくがわいえやす》、二宮尊徳《にのみやそ....
「カルメン」より 著者:芥川竜之介
は勿論カルメンに扮《ふん》するイイナを観《み》ることを楽しみにしていた、が、第一
幕が上ったのを見ると、カルメンに扮したのはイイナではない。水色の目をした、鼻の高....
「英雄の器」より 著者:芥川竜之介
まわりには、十人あまりの顔が、皆まん中に置いた燈火《ともしび》の光をうけて、赤く
幕営の夜の中にうき上っている。その顔がまた、どれもいつになく微笑を浮べているのは....
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
ん。」
それは内気な彼女には珍らしい棘《とげ》のある言葉だった。武夫はお芳の権
幕に驚き、今度は彼自身泣きながら、お鈴のいる茶の間へ逃げこもった。するとお鈴もか....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
うま》をとり直しますと、
「まだ雑言《ぞうごん》をやめ居らぬか。」と、恐ろしい権
幕《けんまく》で罵りながら、矢庭《やにわ》に沙門《しゃもん》へとびかかりました。....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
きょうげん》を見に行った時の話です。たしか大野鉄平《おおのてっぺい》の自害の場の
幕がしまった後《あと》だったと思いますが、彼は突然私の方をふり向くと、『君は彼等....
「河童」より 著者:芥川竜之介
荒れ模様の夜です。僕はその闇《やみ》の中を僕の住居《すまい》へ帰りながら、のべつ
幕なしに嘔吐《へど》を吐きました。夜目にも白《しら》じらと流れる嘔吐を。
九
....
「片恋」より 著者:芥川竜之介
たんです。だけど、わからないんだから、仕方がないじゃありませんか。何《なん》しろ
幕の上で遇うだけなんですもの。」と云う。
幕の上では、妙だよ。
幕の中でと云うな....
「奇遇」より 著者:芥川竜之介
うぜん》と盃《さかずき》を口にしていた。その内にふと気がつくと、誰《たれ》か一人
幕の陰から、時々こちらを覗《のぞ》くものがある。が、僕はそちらを見るが早いか、す....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
眺めていた。
剣舞の次は幻燈《げんとう》だった。高座《こうざ》に下《おろ》した
幕の上には、日清戦争《にっしんせんそう》の光景が、いろいろ映ったり消えたりした。....
「煙管」より 著者:芥川竜之介
》ぢらしと云う、数寄《すき》を凝《こ》らした煙管《きせる》である。
前田家は、
幕府の制度によると、五世《ごせ》、加賀守綱紀《かがのかみつなのり》以来、大廊下詰....
「女」より 著者:芥川竜之介
はその上に座を占めながら、さらにもう一天井《ひとてんじょう》、紗《しゃ》のような
幕を張り渡した。
幕はまるで円頂閣《ドオム》のような、ただ一つの窓を残して、この獰....
「狂女」より 著者:秋田滋
たい、是が非でも会わせろと云いだした。そして部屋に通されると食ってかかるような剣
幕で、彼はこう訊いた。 「奥さん。面談したいことがあるから、起きて、寝床から出て....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
い悪戯や野卑な喧嘩が近所におこると、彼らはいつも頭をふって、ブロム・ボーンズが黒
幕だというのだった。 この乱暴な英雄は、ここしばらくのあいだ、あの花の匂うカト....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
として残して行くだけだ。小屋に住む黒人たちの国に行ってみよ。風に揺らめく褐色の天
幕の下に寝起きする白色アラビア人の住む国へ行ってみよ。ひとりひとりの人間などは問....