幕が開く[語句情報] »
幕が開く
「幕が開く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
幕が開くの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「入れ札」より 著者:菊池寛
腹。地には小笹がしげっている、日の出前、雲のない西の空に赤城山がほのかに見える。
幕が開くと、才助と浅太郎とが出てくる。二人ともうす汚れた袷の裾をからげ、脚絆をは....
「藤十郎の恋」より 著者:菊池寛
形や色子などの美少年が侍している。万太夫座の若太夫は、杯盤の闇を取り持っている。
幕が開くと、若衆形の美少年が鼓を打ちながら、五人声を揃えて、左の小唄を隆達節で歌....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
劇に出演中だったが、彼女の持ち役である南海の女神はその途中で演技が済み、あとは終
幕が開くので彼女を除く一座は総出の形となって、ひとりジュリアは楽屋に帰ることがで....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
待ったでしょう。」 葉子はそう言って庸三の傍に腰かけた。 「でもよかった。今中
幕が開くところだ。」 「そう。」 葉子は頷いたが、顔も声も疲れていた。 庸三....
「二重心臓」より 著者:夢野久作
には深い理由があるのです……その……その……」 「アッサリ仰言いよ。モウ直、次の
幕が開くんですよ」 「この次の幕は……ですね。貴女は、そのまんまの姿で出て、亭主....
「青年」より 著者:森鴎外
um の香がする。振り返って見て、坂井の奥さんの謎の目に出合った。 雪の門口の
幕が開く。ヴィルトン夫人に娘を連れて行かれた、不遇の楽天詩人たる書記は、銀の鈴を....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
、若い手代はどこへ立ったか居なかった。 西の運動場には、店が一つしかない。もう
幕が開く処、見物は残らず場所へ坐直している、ここらは大阪は行儀が可いよ。それに、....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
ってあった。そのうち鍋に餅を入れた雑炊を持って来る。それが朝飯である。 やがて
幕が開くと、忠臣蔵で、序から九段目までした。二番目が八犬伝の赤岩《あかいわ》一角....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
「だから気が気でないんだよ」 その時チョンチョンと二丁が鳴った。 「おやもう
幕が開くんだよ。それじゃ妾は行かなけりゃならない」 「では俺もおいとまとしよう」....
「レモンの花の咲く丘へ」より 著者:国枝史郎
か、如何にレモンの花の咲く南方の国の人々が、燃え狂う恋路を辿り行くか、諸君はこの
幕が開くと共に、残る方なく知ることが出来ましょう。(と一礼して退場) ....