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「幕吏〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

幕吏の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
応仁の乱」より 著者:菊池寛
であった。 増大する窮民はその一揆の口実に徳政を称え、亦奢侈の結果負債に窮した幕吏も、此の点に於て相応じたのである。義政の時代には、十三度も徳政令を出して居る....
近時政論考」より 著者:陸羯南
学者の講談、志士の横議には毫も危懼を抱かず、むしろ喜んで聴くの風ありき。とくに旧幕吏の圧制に懲りまた欧米各国が言論の自由を貴ぶことを聞き深くこの点について自ら戒....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
る役を勤めた。その戦さが長州方の敗退に終わった時、巣内式部ら数十人の勤王家と共に幕吏のために捕えられて、京都六角の獄に投ぜられた。後に、この人は許されたが、王政....
石狩川」より 著者:本庄陸男
にあっては、和人に従うことは、代々の宿命のようなものになっていた。藩吏が来たり、幕吏が来たり、最近はこの堀盛などと顔見知りになったが、いずれも和人にはちがいなか....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
こまでも解《げ》せない顔だが、この連中は深く頓着はしないらしい。 ただ、あれが幕吏の手に見つかった時は大騒ぎになるだろう。いまごろは血眼《ちまなこ》になってい....
学生と先哲」より 著者:倉田百三
いかなかったろう。彼の帰依者はまし、反響は大きくなった。そこで弘長元年五月十二日幕吏は突如として、彼の説法中を小町の街頭で捕えて、由比ヶ浜から船に乗せて伊豆の伊....
つづれ烏羽玉」より 著者:林不忘
摩《さつま》の高崎猪太郎《たかさきいたろう》の手紙を読み上げているのだ。 「近年幕吏|妄動《もうどう》し、かつ君臣の名義大いに混乱致し、はなはだしきは徳川幕府あ....
にらみ鯛 」より 著者:佐藤垢石
献上して、御内膳の資に供えたという。 この、朝廷の供御欠乏のありさまを、実際に幕吏が拝しあげたのは、堀田正睦が上洛した時より、少し後の事であった。 幕末時代....
瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
この人の発意に出でたるものなり。 小栗はかくのごとく自から内外の局に当りて時の幕吏中にては割合に外国の事情にも通じたる人なれども、平生の言に西洋の技術はすべて....
天狗外伝 斬られの仙太」より 著者:三好十郎
起る砲銃声。銃丸が飛んで来てバチバチと物に当った音)……万々が一、あれが仕損じて幕吏または書生組に捕えられでもした場合は、水木さん? 水木 なあに、たかが博徒だ....
江戸芸術論」より 著者:永井荷風
試験に応じて及第するや狂歌の名を後進の真顔六樹園《まがおろくじゅえん》にゆづりて幕吏《ばくり》(支配勘定)となり事務に鞅掌《おうしょう》するの傍《かたわら》旧記....
斬られの仙太」より 著者:三好十郎
起る砲銃声。銃丸が飛んで来てバチバチと物に当った音)……万々が一、あれが仕損じて幕吏または書生組に捕えられでもした場合は、水木さん? 水木 なあに、たかが博徒だ....
尊攘戦略史」より 著者:服部之総
ているという安政五年正月に、その直前の水藩建白によって下ったといわれる朝廷からの幕吏への示命書には、はっきりと幕府祖法が真向からふりかざされている。 「当度の....
濹東綺譚」より 著者:永井荷風
は、夥多《かた》の実例に徴して深く説明するにも及ぶまい。鴨川《かもがわ》の芸妓は幕吏に追われる志士を救い、寒駅の酌婦は関所破りの博徒に旅費を恵むことを辞さなかっ....
私本太平記」より 著者:吉川英治
に来たか」 彼の手は、ふところの毒薬の一包を、無意識に触れていた。 たとえ、幕吏がこれへ踏み込んで来ても、生ける俊基を捕えることはできないのだ。彼らは毒を嚥....