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幕営
「幕営〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
幕営の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「英雄の器」より 著者:芥川竜之介
まわりには、十人あまりの顔が、皆まん中に置いた燈火《ともしび》の光をうけて、赤く
幕営の夜の中にうき上っている。その顔がまた、どれもいつになく微笑を浮べているのは....
「李陵」より 著者:中島敦
ちに戦闘に入るべき準備を整えさせた。外に出て一応各部署を点検し終わると、ふたたび
幕営に入り、雷《らい》のごとき鼾声《かんせい》を立てて熟睡した。 翌朝李陵が目....
「饑餓陣営」より 著者:宮沢賢治
辛《から》くも全滅《ぜんめつ》を免《まぬ》かれしバナナン軍団、マルトン原の臨時|
幕営《ばくえい》。 右手より曹長先頭にて兵士一、二、三、四、五、登場、一列|四....
「古き小画」より 著者:宮本百合子
いる風で馬の頭を立てなおした。陣地と定った場所では、兵等が罵り合い右往左往して、
幕営の準備をしていた。ルスタムは、混雑した荷騾馬の群の横や、地面に積上げられた食....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
、彼は瑣細のことから激しく立腹して、かの家僕を撲ち殺した。自宅ならば格別、それが
幕営のうちであるので、彼もその始末に窮していると、女がどこからか現われた。 「御....
「神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
れだ! 槍を磨け、刀を磨け、鉄砲の筒を掃除しろ。……一手は森林の裾へ行け。そこへ
幕営をつくるがいい。一手は森林の底へ行け。そこへ地雷を伏せるがいい。……火薬袋に....
「越中劍岳先登記」より 著者:柴崎芳太郎
き、同日は室堂より別山を超え、別山の北麓で渓を距る一里半ばかりの劍沢を称する処で
幕営し、翌十三日午前四時同地を出発しましたが、此処は別山と劍山との中間地で黒部の....
「三国志」より 著者:吉川英治
す。たちまちのうちに、十八ヵ国の諸国をたぶらかし、われ密詔を受けたりと偽称して、
幕営二百余里にわたる大軍を編制しました」 「そいつは捨ておけん」 「もとよりのこ....
「三国志」より 著者:吉川英治
と、侍者はいう。 侯成といえば、敵方でも一方の雄将と知っている。曹操はすぐ
幕営に引かせて彼に会った。 侯成は脱出を決意した次第を話して、呂布の厩から盗ん....
「三国志」より 著者:吉川英治
ど退陣せよ。して各隊は、高所、或いは林中など、眠るによく、居るに涼しい地を選んで
幕営を張れ。敢えて、戦いに焦躁するな。しばらく人馬を休め、病にかからぬよう、身の....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
物々しく宿営の近所でどなッた。 宿々では夜の女が、防ぎようもないほど、夜ごと、
幕営へ色をひさぎに来るが、今夜はかたく戒めなければならないと思う。なんとなれば、....