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「干満〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

干満の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
丹下左膳」より 著者:林不忘
。 六 引き潮、満ち潮……。 港の岸に立って、足もとの浪を見おろす人は、その干満の潮にのって、いろいろの物が流れよっているのを見るであろう。 緒《お》の切....
メールストロムの旋渦」より 著者:佐々木直次郎
及び、その破片ふたたび水面に投げ出されるなり。しかれども、かく平穏なる間隙は潮の干満の交代時に、しかも天候静穏の日に見るのみにして、十五分間継続するにすぎず、そ....
流線間諜」より 著者:海野十三
。軍事上どんな役に立つのです」 「さあそれは……」と牧山大佐は腕組をして「海水の干満によって水準の変るのを利用し、高い方から海水を低い方に流して、水力発電するた....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
、時に人の注意を牽いたに相違ない。 ○ 奥つ島荒磯の玉藻潮干満ちい隠れゆかば思ほえむかも 〔巻六・九一八〕 山部赤人 聖武天皇、神亀元年....
死ね!」より 著者:豊島与志雄
かない。僕はもう理屈には倦き倦きした。人間の生産力……精神的生産力には、潮に似た干満がある。その干満と外部的な不幸とが重った時に、多くの芸術家は餓死し或は自殺し....
情意の干満」より 著者:豊島与志雄
海の潮にも似たる干満を、私は自分の情意に感ずる。 * 書物を読み、絵画を見、音楽を....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
あまり涙を流していた。 月日の広漠たる波は徐々に展開してゆく。限りなき海の潮の干満のように、昼と夜とは永遠に変わることなく去来する。週と月とは流れ去ってはまた....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
る範例にすぎないのである。 クリストフはもはや祖国では満足しきれなかった。潮の干満のように一定の時期において、ある種の鳥のうちに突然不可抗的に眼覚《めざ》めて....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
世界の創造は砂粒の墜落によって定められないとはだれが知っていよう。極大と極小との干満、存在の深淵《しんえん》中における原因の交響、創造の雪崩《なだれ》、だれがそ....
地虫」より 著者:小栗虫太郎
も橋の影を落さぬ、水というものがない。影は影に接し、水はくらく、しかも海にちかく干満の度がはげしい。ぐるりは、ギラつく油と工場の塀で、まさに色もなにもないまっ黒....
リズムの構造」より 著者:中井正一
ちは一瞥にして知ることができる。そしてその喘ぎと脈搏と歩みがいかに重く、その潮の干満の浪足がいかに苦しいかを知っている。それらのものが私たちのリズムに向って喚び....
随筆評論集「情意の干満」後記」より 著者:豊島与志雄
随筆評論集「情意の干満」後記 豊島与志雄 本書に収められてるものは、私が書いたすべての随筆や感想....
歴史の流れの中の図書館」より 著者:中井正一
流れが何処から起り、何処に流れてゆくか、誰も見定めることができない。ちょうど潮の干満が、遠い遠い月の世界と関係があると、誰が想像し得たであろう。 しかし、この....
随筆 新平家」より 著者:吉川英治
一つ確かなのは、前月十五日の夜が月蝕であったので、その暦数から、合戦当日の潮流の干満時刻が、科学的に算出できることだけである。義経、知盛の両将のかけひきなども、....