干菓子[語句情報] » 干菓子

「干菓子〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

干菓子の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
百諸侯旗本八万騎のご統領だけがものはございます。江戸錦が染め物の名やら、秀の浦が干菓子の名やら、いっこうお気にも止めないで、余は暇つぶしにさえなればよいぞ、とい....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
初鰹《はつがつお》を売る四月になった。その月の晴れた日に勘蔵が新らしい袷を着て、干菓子の折《おり》を持って、神田三河町の半七の家へ先ごろの礼を云いに来た。 「ど....
朱日記」より 著者:泉鏡花
眼で。それへこう、霞が掛りました工合に、薄い綺麗な紙に包んで持っているのを、何か干菓子ででもあろうかと存じました処。」 「茱萸だ。」と云って雑所は居直る。話がこ....
とむらい機関車」より 著者:大阪圭吉
査は、 「この低い柵の開き扉を開けると、眠っていても直ぐ起きて来ますからそいつへ干菓子をくれてやるんです。喜んで従いて来ます」 と、そこで助役が訊ねました。 ....
三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
はすぐに支度をして、さすがに裃は着ませんけれども、紋付の羽織袴というこしらえで、干菓子の大きい折をさゝげて、駕籠をよし原へ飛ばさせました。大次郎は今年二十二で、....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
る。前にも云う通り滞在期間が長いから、大抵の客は甘納豆とか金米糖とかいうたぐいの干菓子をたずさえて来るので、それを半紙に乗せて盆の上に置き、ご退屈でございましょ....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
―源七からの贈り物は、桔梗屋の玉だれ。 誰袖からの品もまた、江戸に名代の雨宮の干菓子です。 「ほほう、いよいよ不審よのう。二品ともにみな主水之介の大好物ばかり....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
は人目をひきましたよ。」 その時、正香は条山神社の方からさげて来た神酒の小樽と干菓子一折りとをそこへ取り出した。 「さあ、これだ。」 と言って、祭典のおりに....
」より 著者:徳田秋声
らしながら、なつかしい主の膝や胸へ取りついて来る愛物の頭を撫でながら、買って来た干菓子などを壊して口へ入れてやった。 「あれから誰も来ない?」 お増は家中を見....
小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
に関するなんて威張って、とどのつまりあ菓子箱を蹴飛ばしたと思いなさい。例の上層が干菓子で、下が銀貨だから、たまらないさ。紅葉が散る雪が降る、座敷じゅう――の雨だ....
ある女の生涯」より 著者:島崎藤村
を膝に載せて、蓋を取って見た。病室で楽しめるようにと弟の見立てて来たらしい種々な干菓子がそこへ出て来た。この病室に置いて見ると、そんな菓子の中にも陰と陽とがあっ....
書記官」より 著者:川上眉山
よんどころなく善平は起き直りて、それでは仲直りに茶を点れようか。あの持って来た干菓子を出してくれ。と言えば、知りませぬ。と光代はまだ余波を残して、私はお湯にで....
ある恋の話」より 著者:菊池寛
と、一人の出方が、それはそれは見事なお菓子、今のような餅菓子ではなく、手の入った干菓子の折に入ったのを持って来て、 『これは、染之助親方からのお届物です』と云う....
温泉雑記」より 著者:岡本綺堂
。前にもいう通り、滞在期間が長いから、大抵の客は甘納豆とか金米糖とかいうたぐいの干菓子をたずさえて来るので、それを半紙に乗せて盆の上に置き、御退屈でございましょ....
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
から見舞に来た菓子折が積んで有りまするが、蒸菓子の方は悪くなるから先へ手を附け、干菓子の方は下積に残って居りまする。其の他道了さまのお丸薬に帝釈さまのお水が有り....