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干葉
「干葉〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
干葉の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「三郎爺」より 著者:宮本百合子
だフヨフヨの赤ん坊のときに起った。 六右衛門という百姓の女房が背戸で菜飯にする
干葉を洗っていた。 もうあたりは薄暮れて、やがて螢の出そうな刻限だのにどうした....
「連句雑俎」より 著者:寺田寅彦
》の屋根」「椴《とど》と檜《ひのき》」「赤い小宮」と三つ続くようなのがある。 「
干葉《ひば》のゆで汁《じる》悪くさし」「掃けば跡から檀《まゆみ》ちるなり」「じじ....
「一九三四年度におけるブルジョア文学の動向」より 著者:宮本百合子
であろうと思う。 工場で十三時間の労働をしている大衆にとって、また、山ゴボーの
干葉を辛うじて食べて娘を女郎に売りつつある窮乏農民にとって、この「紋章」は今日何....
「風波」より 著者:井上紅梅
に馳け出した。ある者は烏臼木の下にしゃがんで賭けをして石コロを投げた。女は真黒な
干葉と松花のような黄いろい御飯を持ち出した。熱気がもやもやと立上った。 文人の....
「明治時代の湯屋」より 著者:岡本綺堂
明治二十年頃から温泉、鉱泉、薬湯、蒸風呂などの種類が殖えた。そのほかに江戸以来の
干葉湯というのもあった。大体の構造は今も昔も変らないが、浴槽も流し場もすべて木造....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
行ったに相違ねえぜ。」 「うん、牛蒡《ごぼう》買《か》いにか。」 「あい、牛蒡の
干葉《ひば》と黒焼の生姜《しょうが》――。」 「鑑識《めがね》通りだ、はっはっは....
「夢幻泡影」より 著者:外村繁
かけもその上に乗せた。深夜の台所の電灯というものは侘しいものだ。蜘蛛の巣、大根の
干葉、蜜柑の皮、汚れた折板、空瓶。板の間の隙間洩れる風が、裾の間から入ってくる。....