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平仄
「平仄〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
平仄の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
すつもりか何かで、「そうですか、たびたび御足労でした。どうぞ御主人へよろしく」と
平仄《ひょうそく》の合わない捨台詞《すてぜりふ》のような事を云った上、何だこんな....
「満韓ところどころ」より 著者:夏目漱石
ている。橋本は威勢の好い男だから、ある時詩を作って連中一同に示した。韻《いん》も
平仄《ひょうそく》もない長い詩であったが、その中に、何ぞ憂《うれ》えん席序下算《....
「思い出す事など」より 著者:夏目漱石
寝たままよく俳句を作っては、それを日記の中に記《つ》け込《こ》んだ。時々は面倒な
平仄《ひょうそく》を合わして漢詩さえ作って見た。そうしてその漢詩も一つ残らず未定....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
思わねえでもなかったが、香具師ならば理窟が付く。やあぽんぽんの才蔵じゃあ、どうも
平仄《ひょうそく》が合わねえじゃあねえか」 「ごもっともです」と、半七も考えてい....
「趣味の遺伝」より 著者:夏目漱石
してさもあるべき事だが、死んだ子に娶を迎えて置かなかったのをも残念がるのは少々|
平仄《ひょうそく》が合わない。人情はこんなものか知らん。まだ年寄になって見ないか....
「正岡子規」より 著者:夏目漱石
抜いた様なものであった。けれども詩になると彼は僕よりも沢山《たくさん》作って居り
平仄《ひょうそく》も沢山《たくさん》知って居る。僕のは整わんが、彼のは整って居る....
「魚玄機」より 著者:森鴎外
。玄機が詩を学びたいと言い出した時、両親が快く諾して、隣街の窮措大を家に招いて、
平仄や押韻の法を教えさせたのは、他日この子を揺金樹にしようと云う願があったからで....
「詩の原理」より 著者:萩原朔太郎
るような、煩瑣《はんさ》な詩学上の法則がない。外国、特に西洋の韻文は、一語一語に
平仄《ひょうそく》し、シラブルの数を合せ、行毎に頭韻や脚韻やを踏むべく、全く形式....
「日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
反動期に於ける文学と哲学
――文学主義の錯覚に就いて
韻を踏み
平仄《ひょうそく》をつけ旋律に従ってものを云うのが詩であるか。更に、特別な言葉を....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
いが、ちゃあんと一東《いっとう》の韻《いん》を踏んでいるし、行の字を転換すれば、
平仄《ひょうそく》もほぼ合っているそうだ、無茶なことはしておらんそうだ。しかし、....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
字になり、三十一文字《みそひともじ》なりに現われたり、感情があって、しかして後に
平仄《ひょうそく》の文字が使用されるのだが、あの子供のは全然それが逆に行っていま....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
くするという婦人は極めて珍しい。 それにしても、ただ単なる奥様芸で、覚束なくも
平仄《ひょうそく》を合わせてみるだけの芸当だろうとタカをくくって見ると、なかなか....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
山あたりを散歩した時、由井に詩はどうして作るかと問うて、そこで絶句とか律詩とか、
平仄押韻などの事を知り、それからは時々自分でも作って見た。尤も多くの初学者はまず....
「二階から」より 著者:岡本綺堂
とのことであった。漢詩では蛙の鳴くことを蛙鳴といい蛙吠というが、吠の字は必ずしも
平仄の都合ばかりでなく、実際にも吠ゆるという方が適切であるかも知れないと、私はこ....
「春心」より 著者:田中貢太郎
にやりと笑った。 「おめえでも、風景が判るかい」 「判るさ、俺はこれでも、漢詩の
平仄を並べたことがあらあ、酔うて危欄に倚れば夜色幽なり、烟水蒼茫として舟を見ず、....