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平土間
「平土間〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
平土間の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
敷き物をちゃんと用意してきたんだ。へえ、お待ちどうさま。そちらがうずら、こちらが
平土間、見物席ゃよりどりお好みしだいですよ」 どっかりすわると、不思議です。さ....
「満韓ところどころ」より 著者:夏目漱石
で、客がたくさん列車に乗り込んでいる。下等室を覗《のぞ》いたら、腰かけも何もない
平土間《ひらどま》に、みんなごろごろ寝ころんでいた。帰りにはサンパンに乗って、泥....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
なりました。 たった一人の見物ですから、藤崎さんは無論に割込みです。そのころの
平土間一枡は七人詰ですから、ほかに六人の見物がいる。たとい丸腰でも、髪の結い方や....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
お早くどうぞ。ひとり殖えた、三人にしろとゆうべお使いがござりましたんで、ちやんと
平土間が取ってござります……」 「じゃ兄さん……」 顔なじみの出方に迎えられて....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
からフワリと衣裳が崩れ落ちて来て、道庵の身を押しかぶせてしまいました。 一方、
平土間で道庵のために空席を守っていた庄公は、小用にと立って行った道庵の帰りが遅い....
「寄席と芝居と」より 著者:岡本綺堂
ので、ここでは詳しく説明しないが、なにしろ団十郎も出勤した大劇場が桟敷と高土間と
平土間の三分ぐらいを除いては、他はことごとく大入り場として開放したのである。木戸....
「犬を連れた奥さん」より 著者:神西清
た。 初めての幕間に良人は煙草をのみに出て行って、彼女は席に居のこった。やはり
平土間に席をとっていたグーロフは、彼女の傍へ歩み寄ると、無理に笑顔をつくりながら....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
ろう。連日の大入であったそうである。この芝居へも母に連れられて見に行ったものの、
平土間はもとよりどの桟敷も超満員で、その上に入り込むだけの余裕がない。なんでも座....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
し、私たちは人波にへだてられた。 翌る日の夕方、まだ昼の光の流れている偕楽座の
平土間に私は伯母と姉と三人並んで鴈治郎の芝居を見ていた。芸題は黒田騒動と紙治と妹....
「ある恋の話」より 著者:菊池寛
と思われませんでした。前よりも、おっぴらに、誰に遠慮も入らないと思いましたから、
平土間の成るべく舞台に近い、よい場所を買切って毎日のように通いました。三度に一度....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
それが例になって、芝居はその後も当分は桟敷一間四円五十銭、高土間一間三円五十銭、
平土間一間二円五十銭、ほかに敷物代として一間につき五十銭を取るのが先ず普通になっ....
「深川の散歩」より 著者:永井荷風
てもらうことにして、その間寒さを堪えて公園の中で待っていた。芝居へ入って前の方の
平土間《ひらどま》へ陣取る。出方《でかた》は新次郎と言って、阿久の懇意な男であっ....
「すみだ川」より 著者:永井荷風
く返事をしながら、しかし立上ったままに立見の鉄格子から舞台の方を眺めた。花道から
平土間《ひらどま》の桝《ます》の間《あいだ》をば吉さんの如く廻りの拍子木の何たる....
「明治演劇年表」より 著者:岡本綺堂
片足を切断す。 ○六月、市村座六月興行の入場料は、桟敷代八十五匁、高土間八十匁、
平土間七十五匁。 参考のために市村座の入場料を掲げたるが、他も大同小異と知るべ....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
メフィストフェレス
(脚に車の附きたる椅子を、次第に舞台脇へずらせ来て、
平土間に向ふ。)
ここの上では空気も光線もなくされそうですが、
あなた方の所へ....