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「平場〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

平場の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
幻談」より 著者:幸田露伴
かかりと擦《す》れ擦れに鉤《はり》を打込む、それがかかり前の釣といいます。澪だの平場《ひらば》だので釣れない時にかかり前に行くということは誰もすること。またわざ....
城のある町にて」より 著者:梶井基次郎
ふ》けた婦《おんな》が、座蒲団を数だけ持って、先に立ってばたばた敷いてしまった。平場《ひらば》の一番後ろで、峻《たかし》が左の端、中へ姉が来て、信子が右の端、後....
あやつり裁判」より 著者:大阪圭吉
す。続いて書記さんが、書類を持って登壇する。その後から検事さん、裁判長。一方前の平場へは、被告人、菱沼さん、と云った風に、ま、昨日の公判廷と同じような顔触れが揃....
厳島合戦」より 著者:菊池寛
れに対して、陶晴賢は、防、長、豊、筑四州より集めた二万余の大軍である。 だから平場の戦いでは、毛利は到底、陶の敵ではない。そこで元就が考えたのは、厳島に築城す....
真田幸村」より 著者:菊池寛
かせ、ゆらりと打跨り、五六度乗まわして、原に見せ、「此の次ぎは、城|壊れたれば、平場の戦なるべし。われ天王寺表へ乗出し、この馬の息続かん程は、戦って討死せんと思....
縮図」より 著者:徳田秋声
の利く当てがなくなったところから、野心ある客にはたびたびは出せず、自然色気ぬきの平場ということになり、いくらかのんびりしていられるので、読もうと思えば本も読めな....
高千穂に思う」より 著者:豊島与志雄
宮址なのである。今はこの古宮址の上手に、古式の祭壇が設けられている。石段を上った平場に、玉石が敷きつめてあり、奥の石畳みの中央に、巨大な自然石が三個立ててある。....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
ついにクリストフの交響曲《シンフォニー》の番となった。彼の桟敷の方へ管弦楽席や平場から幾つかの視線が向けられたので、彼は自分の出席が知れわたってることを見て取....
二都物語」より 著者:佐々木直次郎
後の方の列にいる見物人たちは、彼の髪の毛一筋でも見逃すまいと、立ち上った。法廷の平場にいる人々は、誰に迷惑をかけようとも彼を一目見てやろうと、前にいる人々の肩に....
利根の尺鮎」より 著者:佐藤垢石
。竿は、六間半以上でないと、うまい場へ囮鮎は泳いで行かない。 鷺石橋の上下は、平場になっていて、まことに釣りやすい場所だ。 三 沼田を過ぎて、薄根川と....
ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
くやと思われるばかり。 焦慮|瘠身《そうしん》幾時間ののち、やがて、ミューレの平場《プラトオ》へ届こうとするころ『グーテの円蓋《ドオム》』の頂きに、ふと一|抹....
ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
男の居る処へ道はあるが、その阪下りに来たのではない。丘の向う裏から廻って、開いた平場を寄ったのである。 「旦那。……」 旦那と、……肩越に低く呼んだが、二声と....
挿話」より 著者:徳田秋声
ってきた。 「お芳さんがあすこに立っていたから、行って見てきましたの。いい塩梅に平場の前の方を融通してくれたんですよ」 「そう。お芳さんも久しく見ないが、どこに....
私本太平記」より 著者:吉川英治
聞き、 「義貞は戦上手よ」 と、淡々としてつぶやいた。そして、 「義貞は元来、平場(平地)の駈けを好み、またそれが得意の騎馬隊が中心なのに、前に川を当て、後ろ....
エタ源流考」より 著者:喜田貞吉
を佐恵久仁と云ったなどいう付会の伝説も起ったものであろう。六条村の留書を見ると、平場細工という語がある。皮細工・藁細工・竹皮細工などのことを云ったものであろう。....