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平家
「平家〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
平家の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
ぐに例のごとく、敵の所在を窺い始めた。するとそろそろ秋が立つ頃になって、やはり松
平家《まつだいらけ》の侍に不伝流《ふでんりゅう》の指南をしている、恩地小左衛門《....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
《はつふゆ》だった。
妾宅は御蔵橋《おくらばし》の川に臨んだ、極《ご》く手狭な
平家《ひらや》だった。ただ庭先から川向うを見ると、今は両国停車場《りょうごくてい....
「松江印象記」より 著者:芥川竜之介
に散在する多くの神社と梵刹《ぼんさつ》とを愛するとともに(ことに月照寺における松
平家の廟所《びょうしょ》と天倫寺の禅院とは最も自分の興味をひいたものであった)新....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
事、京極《きょうごく》の御屋形《おやかた》や鹿《しし》ヶ|谷《たに》の御山荘も、
平家《へいけ》の侍に奪われた事、北《きた》の方《かた》は去年の冬、御隠れになって....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
婆さんの家と云うのが、見たばかりでも気が滅入《めい》りそうな、庇《ひさし》の低い
平家建で、この頃の天気に色の出た雨落ちの石の青苔《あおごけ》からも、菌《きのこ》....
「卑怯者」より 著者:有島武郎
いだ。
子供たちの群れからはすかいにあたる向こう側の、格子戸《こうしど》立ての
平家《ひらや》の軒さきに、牛乳の配達車が一台置いてあった。水色のペンキで塗りつぶ....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
るが……衣食満ち満ち富貴……は弱った。 のみならず、子五人か、九人あるべしで、
平家の一門、藤原一族、いよいよ天下に蔓らんずる根ざしが見えて容易でない。 すで....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
に、昔からの大庄屋が土台ごと売物に出しました、瓦ばかりも小千両、大黒柱が二抱え。
平家ながら天井が、高い処に照々して間数十ばかりもござりますのを、牛車に積んで来て....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
うでの。」と捻平が坐りながら腰を伸して高く居直る。と弥次郎|眼を※って、 「や、
平家以来の謀叛、其許の発議は珍らしい、二方荒神鞍なしで、真中へ乗りやしょう。」 ....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
「その娘が、蛇を……嘘でしょう。」 「間違ったに違いない。けれども高津で聞いて、
平家の水鳥で居たんだからね。幕間にちょいと楽屋へ立違って、またもとの所へ入ろうと....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
、私は、塩餡。」 「ご尋常……てまえは、いなか。」 「あとで、鴨雑煮。」 「驕る
平家ね、揚羽の蝶のように、まだ釣荵がかかっていますわ。」 と閉った縁の廂を見つ....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
。」 その隣家に三十ばかりの女房一人住みたり。両隣は皆二階家なるに、其家ばかり
平家にて、屋根低く、軒もまた小かなりければ、大なる凹の字ぞ中空に描かれたる。この....
「幸福のうわおいぐつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
番のたましいは中尉のからだを借りたのですけれど、その中尉は、夜番よりもいっそう不
平家で、おれはもとの夜番になりたいとのぞんだのでした。そこで、そのおのぞみどおり....
「瓜の涙」より 著者:泉鏡花
よりもなお果敢ない。 詮方なさに信心をはじめた。世に人にたすけのない時、源氏も
平家も、取縋るのは神仏である。 世間は、春風に大きく暖く吹かるる中を、一人陰に....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
に掛けよう。来やがれ、」 ざらざらと落葉を蹈む音。此方の一間と壁を隔てた、隣の
平家との廂合へ入って、しばらく跫音が聞えなくなった。が、やがて胸倉を取って格子戸....