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平年
「平年〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
平年の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
ましく飛び立って行った。
夏物が皆無作というほどの不出来であるのに、亜麻だけは
平年作位にはまわった。青《あお》天鵞絨《ビロード》の海となり、瑠璃色《るりいろ》....
「鰊漁場」より 著者:島木健作
製品の価格はそのためにぐんと落され、毎年喰い込むばかりであった。百石三千円と見、
平年の漁獲高五百石と見て、一万五千円、金利だけ損だが、それですめばまだいい方だっ....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
こうとしたのも、彼を害して逃がれようとしたものらしい。 熊の母 東晋の升
平年間に、ある人が山奥へ虎を射に行くと、あやまって一つの穴に堕ちた。穴の底は非常....
「火星兵団」より 著者:海野十三
おびやかされ、神経衰弱にならない者はないと言っていいほどであり、おかしくなる者が
平年の百倍千倍にもふえていった。
モロー彗星の尾は気味のわるい青白い光を放った....
「現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
によって直接間接にその生活の安定を得るだろうとは到底考えられないのである。国民が
平年度約三億円の増税を課せられることによって却て自分の生活が安定するということは....
「日本天変地異記」より 著者:田中貢太郎
らず、尤も御慎み有るべしと密奏す」とあって、地震にも心があるように見える。 正
平年間は非常に地震の多い年で、約百回も地震の記録があるが、そのうちで大きかったの....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
上に住む人間全部と共に、この国から取り除かれたと、全く同一である。残余の人々は、
平年作の年には、以前と全く同一の状態にあり、より良くもより悪くもならないであろう....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
議に戦争による人口の減少を免れた。気候は驚くべきほどに伝染病を受けつけず、そして
平年には、死亡率は、記録簿が正確だと認められるヨオロッパの他のいかなる国よりも、....
「兜」より 著者:岡本綺堂
日の宵である。この年は八月に閏があったそうで、ここにいう八月は閏の方であるから、
平年ならばもう九月という時節で、朝晩はめっきりと冷えて来た。その冷たい夜露を踏ん....
「飢餓地帯を歩く」より 著者:下村千秋
ラックは勿論、馬橇もろくに通れない部落が多い。この地方は、水田が殆んどないので、
平年でも、畑作もの、即ち、粟や稗を常食としているのだが、今年はその粟や稗も殆んど....
「平ヶ岳登攀記」より 著者:高頭仁兵衛
へ雇われて来ているので、自分らが銀山平へ行ったのが四、五日遅れたのと、養蚕が少し
平年より早いので、多忙の時期に向って来たので、案内が出来ぬということになった、白....
「屍体と民俗」より 著者:中山太郎
に由来しているのである。京都府北桑田郡|周山《しゅうざん》村の八幡宮の縁起に、康
平年中に源義家が反臣安倍貞任を誅し、屍体を卜部《ウラベ》の勘文《かんもん》により....
「春雪の出羽路の三日」より 著者:喜田貞吉
に下り、飽海郡から西海岸を迂回したものであった。それではあまりに不便とあって、天
平年間にこの方面の蝦夷を征して雄勝の道を通じ、最上郡からただちに御物川の上流に出....
「特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ」より 著者:喜田貞吉
代の初めの年号です。その時に新たに戸籍に編入せられたもので、それを、神亀の次の天
平年間に「里」ということにした。それを余戸というのだとの事が書いてあります。これ....
「ロザリオの鎖」より 著者:永井隆
茂った葉をこいつがすっかり食い荒らしてしまった。それに残存放射能の影響もあり芋は
平年作の十分の一もとれなかった。けれども私らは飢えることを免れた。というのは住民....