平打ち[語句情報] » 平打ち

「平打ち〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

平打ちの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
みに置かれてある二枚折りびょうぶの裏側のすそ下のほうに、ぷつりと浅く刺さっている平打ちのなまめかしい銀かんざしです。同時に、きらりその目が鋭く光りました。のっそ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
のような古い箱が二個あらわれた。箱は能楽の仮面を入れるようなもので、底から薄黒い平打ちの紐をくぐらせて、蓋の上で十文字に固く結んであった。幾分の好奇心も手伝って....
八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
包み物を解き出した。 美しい塗り下駄、博多の帯、縮緬の衣裳、綸子の長襦袢、銀の平打ち、珊瑚の前飾り、高価の品物が数々出る。 「男が見てさえ悪かあねえ。若い女に....
大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
から私は正直正銘の値だんをそのままに現して見せる所の二十円金貨の帯止めや、純金|平打ちや、実印兼用の大形の指輪、ダイヤの巨大なる奴が二つもヘッドライトの如く輝い....
丹下左膳」より 著者:林不忘
羽二重《はぶたえ》の類をもって濾《こ》すのである。 それから。 へしと称し、平打ちにかけて鋼《はがね》を減らし、刀の地鉄《じがね》を拵《こしら》える。水うち....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
潜めていた。イギリス兵は彼を見いだした。兵士らは彼をそこから引きずり出して、剣の平打ちを食わせながら、そのおびえてる男に種々の用をさした。彼らは喉《のど》がかわ....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
してもし父の霊がそこに影の中にいて、彼が退こうとするのを見たならば、彼の腰に剣の平打ちを食わして叫んだであろう、「進み行け、卑怯者めが!」 種々の考えが入り乱....
怪しの館」より 著者:国枝史郎
「何を!」 と一人飛び込んで来た。 「馬鹿め!」 と抜いた旗二郎、ピッシリ、平打ち、撲り倒した。 「野郎!」 ともう一人飛び込んで来た。 「うふん」 ピ....
血ぬられた懐刀」より 著者:国枝史郎
太刀を抜いたが横ッ払った。殺しては後が面倒だ、そう思ったがためであろう、腰の支を平打ちに一刀! 「ウ――ム」と呻いてぶっ仆れる。 と、懲りずまにもう一人が、刎....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
らしの道楽者で、そんなほうには抜け目のないやつだから、手さぐりでそっとお源の銀の平打ちを引きぬいておいたんです」 「怪しからんやつだの」 「……次の日になって簪....
早耳三次捕物聞書」より 著者:林不忘
たり入れたりして歩いているのかわからないが、とにかく、行った質屋へは必ず蝶々彫り平打ち金かんざしを質において、二、三日して受け出しに来ている。その寄った質屋のあ....