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平民
「平民〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
平民の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
…貴様このカアライルにでもかぶれているととんだ間違いになるぜ。貴様の考えはばかに
平民的だが、考え方……考えじゃない、考え方だ……その考え方にどこかブルジョア臭い....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
、好みて下等社会の境遇を甘んじ、衣食の美と辺幅の修飾とを求めざりき。渠のあまりに
平民的なる、その度を放越《ほうえつ》して鉄拐《てっか》となりぬ。往々見るところの....
「国貞えがく」より 著者:泉鏡花
安《おこころやす》かれ、受取人の立田織次《たつたおりじ》も、同国《おなじくに》の
平民である。 さて、局の石段を下りると、広々とした四辻《よつつじ》に立った。 ....
「クララの出家」より 著者:有島武郎
ザナ……」 内陣から合唱が聞こえ始めた。会衆の動揺は一時に鎮って座席を持たない
平民たちは敷石の上に跪いた。開け放した窓からは、柔かい春の光と空気とが流れこんで....
「ある男の堕落」より 著者:伊藤野枝
、間違っちゃいないでしょう。」 彼は未決にいるうちにGさんが差し入れてくれた「
平民科学」の感銘が深かったことをしきりに話していました。そういう学問の不思議と面....
「縷紅新草」より 著者:泉鏡花
の顔に象棋盤の目を切るかわりに、酢ながら心太を打ちまけたろう。 「そこへ掛けると
平民の子はね。」 辻町は、うっかりいった。 「だって、
平民だって、人の前で。」....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
「何をする。」 「何でえ、おりゃ士族だぜ。退け!」 国麿は擬勢を示して、 「汝
平民じゃあないか、
平民の癖に、何だ。」 「
平民だって可いや。」 「ふむ、豪勢なこ....
「端午節」より 著者:井上紅梅
の運動は学生が最も甚しい。だが官僚は天のなせる特別の種族ではない。とりもなおさず
平民の変化したもので、現に学生出身の官僚も少からず、老官僚と何の撰ぶところがあろ....
「沼畔小話集」より 著者:犬田卯
をするのであった。 「僕は全体、上流社会が嫌いでしてね。」 「いや、何といっても
平民階級の中にいた方が、気がおけませんよ。」 男爵は、だから「画家」として世に....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
常磐津が好きで、児供の時から聴き馴れていたのと、最一つは下層階級に味方する持前の
平民的傾向から自然にこれらの
平民的音曲に対する同感が深かったのであろう。 二葉....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
御用を勤めるお台屋の株を買って立派な旦那衆となっていた。天保の饑饉年にも、普通の
平民は余分の米を蓄える事が許されないで箪笥に米を入れて秘したもんだが、淡島屋だけ....
「斎藤緑雨」より 著者:内田魯庵
真の江戸ッ子文学は絶えてしまった。 紅葉も江戸ッ子作者の流れを汲んだが、紅葉は
平民の子であっても山の手の士族町に育って大学の空気を吸った。緑雨は士族の家に生れ....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
『国民之友』は殆んど天下の思想界に号令する観があった。二葉亭もまた蘇峰が高調した
平民主義に共鳴し、臂を把って共に語る友と思込んで、辞を低うし礼を尽して蘇峰を往訪....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
府の保護を受くるといえども、わが宗はさらに政府の保護を受けず、その僧侶は純然たる
平民の資格を有するものなり。ゆえに、その国会議員となるの資格もまた、
平民同様なら....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
依り給養を簡単ならしむる事になり、軍の行動に非常な自由を得たのである。殊に将校の
平民化が将校行李の数を減じ、兵のためにも天幕の携行を廃したので一八〇六年戦争に於....