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「平滑〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

平滑の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
二十センチほどの男の靴跡で、はなはだしく体躯の矮小な人物らしく思われるが、全体が平滑で、いぼも連円形もない印像の模様を見ると、それが特種の使途に当てられる、護謨....
化け物の進化」より 著者:寺田寅彦
議な現象の記事を、※軒小録、提醒紀談、笈埃随筆等で散見する。これは山腹に露出した平滑な岩盤が適当な場所から発する音波を反響させるのだという事は今日では小学児童に....
自然界の縞模様」より 著者:寺田寅彦
うである。木の年輪にしても、これを支配する気象的要素の週期曲線はともかくもかなり平滑で連続的であるのに、杉の木の断面の半径に沿うての物理的性質の週期的曲線は必ず....
連句雑俎」より 著者:寺田寅彦
て、曲の変化と活気が生じる。それと同様に、歌仙でもあまり美しい上品なそして句調の平滑な句が続くと、すぐだれて来て活気がなくなる。われわれ初心の者の連句はとかくこ....
「手首」の問題」より 著者:寺田寅彦
係がちがうから、そういう変化にも臨機に適当に順応して自由な弦の運動を助長し一様に平滑によい音を出すためには、ただ機械的に一定圧力一定速度で直線的に弓を動かすだけ....
空想日録」より 著者:寺田寅彦
のない学生が、独創力のある先生の膝下で仕事をしているときは仕事がおもしろいように平滑に進行する。その時弟子に自己認識の能力が欠乏していると、あたかも自分がひとり....
十二支考」より 著者:南方熊楠
起にも引っ掛かり得る。この麟板は一枚ごとに左右一対の肋《あばら》と相伴う。されば平滑な硝子《ガラス》板を蛇這い得ず。その板をちょっと金剛砂で磨けば微細の凸起を生....
厄年と etc.」より 著者:寺田寅彦
てその運動や変形を数学的に論じる事が出来た。あらゆる現象は出来るだけ簡単な数式や平滑な曲線によって代表されようとした。その同じ傾向は生物に関する科学の方面へも滲....
浅草紙」より 著者:寺田寅彦
しかし紙の材料をもっと精選し、もっとよくこなし、もういっそうよく洗濯して、純白な平滑な、光沢があって堅実な紙に仕上げる事は出来るはずである。マッチのペーパーや活....
植物一日一題」より 著者:牧野富太郎
いで樹から落ちるが、テウチグルミ(手打チグルミ)すなわち菓子グルミの果皮は緑色で平滑無毛、頂端から不斉に数片に裂け、その中の裸の核を露出し、この核が果皮を残して....
植物知識」より 著者:牧野富太郎
isch. と称するが、その種名の laevigata は光沢《こうたく》あって平滑《へいかつ》な意で、それはその葉に基《もと》づいて名づけたものであろう。そし....
カキツバタ一家言」より 著者:牧野富太郎
する。根茎は横臥し分枝し、葉は跨状式をなして出で、剣状広線形で尖り鮮緑色を呈して平滑である。葉中に緑茎を抽いて直立し一、二葉を互生し、茎頂に二鞘苞ありて苞中に三....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
深|微妙の音もなき響の響が其処にはあった。内に黒く剛い、しかし外に灰銀の柔かな、平滑な光の面、面は縦に大きく円く、極めて薄手の幅を持って、その両面が、一方は紫の....
黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
継ぐ間もなく前よりも激しい急勾配で全渓の雪が大きな堤のように高まっている。一様に平滑である斜面には、波紋のような凸凹はもう見られない。私は額を掠めて真白に輝くこ....
八ヶ峰の断裂 」より 著者:木暮理太郎
それを伝って下ると谷底に向って傾いた一枚岩の上に出る。幅は五、六尺に過ぎないが、平滑なる表面には手掛りも足掛りもなく、向う側はまた岩壁であるから一思いに飛び越す....