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平目
「平目〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
平目の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「姪子」より 著者:伊藤左千夫
を持っておれを広福寺の裏まで送ってくれた。 おれは今六十五になるが、鯛《たい》
平目《ひらめ》の料理で御馳走になった事もあるけれど、松尾の百合餅程にうまいと思っ....
「わが町」より 著者:織田作之助
ぬっと軒口から顔を出した者がある。 「よう〆さんか?」 相変らずでっぷりして、
平目のような頬ぶくれした顔は、六年会わぬが、隣家に住んでいる〆団治だと、一眼でわ....
「春の枯葉」より 著者:太宰治
登場。右手に一升瓶、すでに半分飲んで、残りの半分を持参という形。左手には、大きい
平目二まい縄でくくってぶらさげている。 (野中) 奥田せんせい。やあ、いるいる。....
「野狐」より 著者:田中英光
体の転がっていたマーケット。その溝板の上を彼女は足袋跣足で、髪をぼうぼうと乱し、
平目に似た眼を吊り上げて、平然と歩いてゆく。その醜骸を、私はどんなに熱愛していた....
「物のいわれ」より 著者:楠山正雄
ど、ひらめというお魚は、目が背中についています。ですから今でも、親をにらめると、
平目になるといっているのです。 ほととぎす むかし、二人のきょうだい....
「金の目銀の目」より 著者:豊島与志雄
言いました。 「太郎さんの白猫に、御馳走してやろう」 そして大きな鯛《たい》や
平目《ひらめ》を、持って来てくれました。 魚や果物や、野菜が、たくさんたまりま....
「加利福尼亜の宝島」より 著者:国枝史郎
、徐々として、釣天井が下がって来る。重い重い釣天井だ。それに圧されたら命はない。
平目のように潰されなければならない。 豪勇小豆島紋太夫もどうすることも出来なか....
「悪因縁の怨」より 著者:江見水蔭
。 「海※ですよ。一枚切りですが、滅法威勢が好いので……それから石鰈が二枚に、舌
平目の小さなのが一枚。車鰕が二匹、お負けで、二百五十文だてぇますから、三百置いて....
「鷹とひらめ」より 著者:香倶土三鳥
が、水が深いので掴めません。しかたなしに知恵を出してひらめにこう言いました。 「
平目さん。もっとこちらの浅い処に来て御覧。お前の好きな餌が沢山あるよ」 ひらめ....
「水の遍路」より 著者:佐藤垢石
の地である。網代と初島の周りは、あまりにも有名だ。伊東温泉には海も川もあり、鱸も
平目も、鮎も山女魚もいる。修善寺温泉を中心とした狩野川と大見川の漁師は、友釣り技....
「小説 円朝」より 著者:正岡容
も喧嘩をしなかったときは血が騒いでならないとて手鉤を持ってきては商売物の大鮪や大
平目の胴体へ、所|嫌《きら》わず滅多やたらにそいつをぶち込んだ。何条もって耐るべ....
「想い出」より 著者:古川緑波
を、無理に割かれた、そのかみの恋人を思うように。 伊勢海老でない時は、そうだ、
平目のノルマンディー風、なんてのもあったっけ。おお、そして、車海老のニューバーグ....
「このたび大阪」より 著者:古川緑波
かった。二十四日 酔後、南のすし屋小政へ。ここも、おどりは売切れで、つまらない。
平目、穴子など食う。二十六日 昼食、船場の一平。おどりを主として、すし十何個。赤....
「あの世の入口」より 著者:知里真志保
で、この辺で打ちきることにする。 次ぎに掲げるのは日高国沙流郡平取村字|荷菜の
平目カレピア婆さんが久保寺逸彦氏に伝えたもので、訳文も同氏の手になる。同氏によれ....