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平等院
「平等院〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
平等院の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
「何て奇麗な水でしょう」妻は舷側の水を両手に掬い上げて川を讃める。鶴子が真似る。
平等院の岸近く細長い島がある。浮島と云うそうだ。島を蔽う枯葭の中から十三層の石輪....
「小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
に歩み初めぬ。いうまでもなく、こは片岡中将の一行なり。昨日奈良より宇治に宿りて、
平等院を見、扇の芝の昔を弔い、今日は山科の停車場より大津の方へ行かんとするなり。....
「高台寺」より 著者:宮本百合子
気、松林、そこへ龍を描こうとする着想は、常時生気あるものであったに違いない。然し
平等院の眺めでさえ、今日では周囲に修正を加えて一旦頭へ入れてからでないと、心に躍....
「旅愁」より 著者:横光利一
朝鮮の建築そのままの直写時代から、奈良、平安前期に至るその消化時代をへて、宇治の
平等院に示された平安後期の日本化の完成という順序は、これを短い時代の例としても、....
「『新新訳源氏物語』あとがき」より 著者:与謝野晶子
陸奥守から常陸介になった男の富などがそれである。 後冷泉天皇の御勅筆の額を今も
平等院の隣の寺で拝見することができるが、その頃の男の漢文の日記などに東宮時代の同....
「日本文化私観」より 著者:坂口安吾
ごかす逞しい美感があるという以外には、強いて考えてみたことがなかった。法隆寺だの
平等院の美しさとは全然違う。しかも、法隆寺だの
平等院は、古代とか歴史というものを....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
日本庶民生活の悲しさです。 日本の木造建築にも、ピンからキリまである。法隆寺や
平等院から雪国の小作農家に至るまで。だが、庶民住宅というものは、百年前から今日に....
「奥州における御館藤原氏」より 著者:喜田貞吉
襲いでさらに成金振りを発揮した。彼は無量光院を建立して、院内の荘厳ことごとく宇治
平等院を摸したとある。その他、東大寺大仏殿再興の時のごときも、彼は実に第一番に勧....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
で、御堂関白道長から、その子宇治関白|頼通の頃、美術史の方でいえば法成寺や宇治の
平等院が出来たいわゆる藤原時代の頂上で、文学史の方でいえば『枕草紙』『源氏物語』....
「無月物語」より 著者:久生十蘭
れだすかと思っていた泰文は、意外に素直に勅を受け、二十騎ばかりの伴を連れて宇治の
平等院でひとしきり水馬《すいば》をやったうえ、一糸纏わぬすッ裸で裸馬に乗り、京の....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
、常盤範貞(北ノ探題)が、天皇を迎えとりに下ってくる。 が、ひとまずは、宇治の
平等院へお移しして、二日後の入京となった。――「花園院御記」によると、武家がたは....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
だけのことだった。 ――宇治方面では楠木正成の五千騎が、宇治橋を断り、槙ノ島、
平等院のあたりに黒煙をあげ、ここの守備は一ばいものものしく、 魔風、大厦に吹きか....
「随筆 新平家」より 著者:吉川英治
出家したような出家は、貴族社会の慣いでさえあった。法性寺関白、河原左大臣、宇治の
平等院など例は枚挙にいとまもない。 剃髪はしないが、平ノ重盛などがそれである。....