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「平素〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

平素の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
デンマルク国の話」より 著者:内村鑑三
っして尠《すくな》くないのであります。国の興亡は戦争の勝敗によりません、その民の平素の修養によります。善き宗教、善き道徳、善き精神ありて国は戦争に負けても衰えま....
「ファン」について」より 著者:伊丹万作
ファンはあまり感心しない。 私の経験では、軽症映画中毒患者の写真の見方よりも、平素まつたく映画に縁遠い連中の見方の方が純粋でかつ素直である。 そして、こうい....
カメラに関する覚え書」より 著者:伊丹万作
が、カメラマンの仕事は撮影現場を離れると同時に解消するという性質のものではない。平素から芸術的理解力においては常に普通社会人の水準から一歩踏み出しているだけの修....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
ラになりすまし、時代の崇拝者となり、美人の評判高かった金持の後家と結婚が、夫人は平素デビーの書記兼助手たるファラデーを眼下に見下しておったらしい。 さて上に述....
八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
服するのは贔屓の引倒しで、馬琴に取ってはこの上もない難有迷惑であろう。ただ馬琴は平素の博覧癖から何事も精しく調査したらしく思われる処に損もあり得もある。『房総志....
不吉の音と学士会院の鐘」より 著者:岩村透
死ぬ少し前に、ハークマは慥か倫敦へ行っていて、そして其処から帰える。一体この人の平素住んでいるのは有名なブッシュというところで、此処には美術学校もあるし、この土....
甲州郡内妖怪事件取り調べ報告」より 著者:井上円了
と想像せり。また、ある者はいえらく、かつてその女に通じおる男子ありて、その男子の平素信仰せるところの狐が、かかる所業をなすものならんと。また、あるいはその女子を....
妖怪学一斑」より 著者:井上円了
、病人にとってもっとも不適当なる時刻であり、かつもっとも不愉快なる天気でありて、平素強健なる人といえども、自然気分が悪くなるくらいであるから、まして病み疲れたる....
妖怪報告」より 著者:井上円了
せりと覚ゆれども、あたかも天晴朗、降雨の兆しもなし。かつ、はじめ家を去るとき、父平素にたがわず健康なれば、これを煙消霧散に付し、意思のかけらにもかけず。 その....
迷信解」より 著者:井上円了
神病の一種である。されど、あえて精神病に限るにあらず、大病、重患にかかるときに、平素多少己に対して遺恨を有するものあれば、その霊魂が乗り移りて己を悩ますようにな....
妖怪玄談」より 著者:井上円了
内界の作用の相関するものとす。例えば、ある人の将来の運を卜するに当たり、その人の平素の性質、品行、学芸、名望、その一家の関係、その社会のありさま等の諸事情を考察....
淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
似もした。 椿岳の多芸は評判であったが、中には随分人を喰った芸もあった。椿岳は平素琵琶を愛して片時も座右を離さなかったので、椿岳の琵琶といえばかなりな名人のよ....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
けないものであった。あるいは不満足なる媾和に憤慨した余りの昂奮で筆が走ったので、平素の冷静な二葉亭ではかえって書けなかったかも知れない。こういう方面に専ら力を注....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
り、臭気はなはだし。赤子はこれを獣皮にて包む。その形、エジプトのミイラに似たり。平素トナカイを養いて生活す。実に太古の遺民なり。途中、あおばえに苦めらる。暑気七....
松の操美人の生埋」より 著者:宇田川文海
囘之を見聞せんと欲するや極めて切なり。去る十七年の夏、偶事に因て出京せるを幸い、平素の欲望を達せん事を思い、旅寓に投じて、行李を卸すや否や、先ず主人を呼で二氏の....