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平蜘蛛
「平蜘蛛〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
平蜘蛛の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「桃太郎」より 著者:芥川竜之介
ま》き散らしている。桃太郎はやはり旗を片手に、三匹の家来《けらい》を従えたまま、
平蜘蛛《ひらぐも》のようになった鬼の酋長へ厳《おごそ》かにこういい渡した。
「で....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
た。彼は木連《きつれ》格子のあいだからそれをそっと転がし込んで、自分は土のうえに
平蜘蛛《ひらぐも》のように俯伏していた。彼は一生懸命に息を殺していた。 半七は....
「島原心中」より 著者:菊池寛
ばんに上って来たのは、さっき見かけたこの家のお主婦なのです。 僕の顔を見ると、
平蜘蛛のように、お辞儀をしながら、そのくせ、額ごしに、冷たい目でじろじろ見ていた....
「古事記物語」より 著者:鈴木三重吉
わせ申しまして、絶えず貢物を奉り天地が亡びますまで無窮にお仕え申しあげます」と、
平蜘蛛のようになっておちかいをいたしました。 それで皇后はさっそくお聞き届けに....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
けて、生まれてからこの自分の頭をさげたことのない対馬守、ここを先途《せんど》と、
平蜘蛛のようにペコペコお辞儀をしている。 四 言葉は通じないのだから、一風宗匠....
「火星探険」より 著者:海野十三
た。河合は扉のハンドルをつかんだまま床の上におしつけられた。他の三人の少年たちは
平蜘蛛《ひらぐも》のようにへたばった。と、次の瞬間には、部屋全体がきりきりきりと....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ると音もなく障子があいて、がんりきは部屋の中へ入ってしまいます。 身を畳の上に
平蜘蛛《ひらぐも》のようにして、耳を澄まして寝息を窺ったが、紙張の中に人ありやな....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
尉は、はっと体を縮めるなり、飛鳥のようにカンバスのうしろにとびこむと、そのかげに
平蜘蛛のようにぴったりとはりついた。 やがて彼の眼の前を、長身の水兵が鼻唄まじ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
《ぶぜん》として、なお燈下にうずくまる男を見下ろしていると、右の老爺《おやじ》は
平蜘蛛《ひらぐも》のような形をしているのが、気のせいか、見ているうちに平べったく....
「後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
って居ります。時に文治が、「これ一同静かにしろ」と睨み付けられてピタリと止って、
平蜘蛛のようになって居ります。 文「恐れながら文治申上げます、此の者どもが御場....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
こは、お燈明がともっていないと、昼間でも真っ暗である。次郎は、そこに飛びこむと、
平蜘蛛のように畳に体を伏せて息を殺した。 抹香くさい空気が、しめっぽく彼の鼻を....
「巷説享保図絵」より 著者:林不忘
はりの合わねえことばかりいっていたが、やっとあとでまちがいとわかってな、今度は、
平蜘蛛《ひらぐも》のようなあやまりようよ。おめえに見せたら、ふきだすところだった....
「つづれ烏羽玉」より 著者:林不忘
かりは何からどう糸を引くかしれねえから、では、ちょっくら出張って――」 閑山は
平蜘蛛《ひらぐも》のように額を畳にすりつけた。文次はたち上がる。 「姉《あね》さ....
「早耳三次捕物聞書」より 著者:林不忘
」 「そうねえ。まず三百両あったらちょいと間に合うかねえ。」 そこで源右衛門は
平蜘蛛のようになってこの福の女神を拝んだのだった。 翌朝《あくるあさ》さっそく....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
も不束なものでございますから、どうぞまた先生様、何分、」と、ここでまたぴったりと
平蜘蛛。 「はあ、それは宜しい、」ともう片膝を立てそうにする。 青年も座を開い....