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平蜘蛛のよう
「平蜘蛛のよう〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
平蜘蛛のようの前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「島原心中」より 著者:菊池寛
ばんに上って来たのは、さっき見かけたこの家のお主婦なのです。 僕の顔を見ると、
平蜘蛛のように、お辞儀をしながら、そのくせ、額ごしに、冷たい目でじろじろ見ていた....
「古事記物語」より 著者:鈴木三重吉
わせ申しまして、絶えず貢物を奉り天地が亡びますまで無窮にお仕え申しあげます」と、
平蜘蛛のようになっておちかいをいたしました。 それで皇后はさっそくお聞き届けに....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
けて、生まれてからこの自分の頭をさげたことのない対馬守、ここを先途《せんど》と、
平蜘蛛のようにペコペコお辞儀をしている。 四 言葉は通じないのだから、一風宗匠....
「ココナットの実」より 著者:夢野久作
開いて、今にも涎の垂れそうな顔をしたが、両手をさし上げたまま床の上にベッタリと、
平蜘蛛のようにヒレ伏してしまった。 「もういいもういい。わかったよわかったよ。そ....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
尉は、はっと体を縮めるなり、飛鳥のようにカンバスのうしろにとびこむと、そのかげに
平蜘蛛のようにぴったりとはりついた。 やがて彼の眼の前を、長身の水兵が鼻唄まじ....
「後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
って居ります。時に文治が、「これ一同静かにしろ」と睨み付けられてピタリと止って、
平蜘蛛のようになって居ります。 文「恐れながら文治申上げます、此の者どもが御場....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
こは、お燈明がともっていないと、昼間でも真っ暗である。次郎は、そこに飛びこむと、
平蜘蛛のように畳に体を伏せて息を殺した。 抹香くさい空気が、しめっぽく彼の鼻を....
「魔都」より 著者:久生十蘭
いよいよ林が入って来た。林は扉口で、
「林謹直でございます」
と名乗りを上げ、
平蜘蛛のようになってお声を待っていたが、およそ二分経っても何のお返事もない。林と....
「円太郎馬車」より 著者:正岡容
これからほんとに気をつけます。御勘弁願います」 ひと片づけすんだのち圓太郎は、
平蜘蛛のようになってあやまった。が、もう圓朝はなにごともなかった前のような顔をし....
「早耳三次捕物聞書」より 著者:林不忘
」 「そうねえ。まず三百両あったらちょいと間に合うかねえ。」 そこで源右衛門は
平蜘蛛のようになってこの福の女神を拝んだのだった。 翌朝《あくるあさ》さっそく....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
き声が聞えたので、不審に思って、覗いてみただけでござります」 と、言い訳して、
平蜘蛛のように、詫び入るだけだった。 弱い者にはどこまでも強くなれる又八である....
「三国志」より 著者:吉川英治
張飛が見えたと?」 驚きの目で彼を迎えた。 「申しわけございません」 張飛は
平蜘蛛のようにそれへ平伏して、徐州城を奪われた不始末を報告した。――あれほど誓っ....
「三国志」より 著者:吉川英治
わけもございません」 と、懲罰に処した樹上の士卒が、いつの間にか逃走した由を、
平蜘蛛のようになって慄えながら告げた。 「知っとる知っとる。将として、それくらい....