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平行線
「平行線〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
平行線の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
として一定の性格を備えて表現されていることを要する。さて、幾何学的図形としては、
平行線ほど二元性を善く表わしているものはない。永遠に動きつつ永遠に交わらざる平行....
「貧しき人々の群」より 著者:宮本百合子
とは確かである。 世が不平等であるからこそ――富者と貧者は合することの出来ない
平行線であるからこそ、私共は彼等の同情者であらなければならない。 金持が出来る....
「旅愁」より 著者:横光利一
という公理と、球面上の同じ三魚形の和はそうではないといった公理とか、また、二つの
平行線は相交らぬという公理が、無限の向うでは相交る公理になるとか、そういう風な数....
「ふしぎ国探検」より 著者:海野十三
む、よろしいです。ふしぎに、はいれます。うそ、いいましぇん」 「そうかなあ」 「
平行線は、どこまでいっても交《まじ》わらない。そうきめたのはユークリッド空間です....
「認識論とは何か」より 著者:戸坂潤
うのが常だが、之ほど疑わしい感情はないのである。最後の自明性を有った命題、例えば
平行線は交らないというような種類の自明命題も、厳密に云うと実は自明ではない。或る....
「美しい村」より 著者:堀辰雄
本通りの南側を、それと殆《ほと》んど平行しながら通っているのだが、それらの二つの
平行線を斜《はす》かいに切っている、いくつかの狭《せま》い横町があった。そんな横....
「カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
ことだ。ユウクリッドの法則によると、この地上ではけっして一致することのない二条の
平行線も、ことによったら、どこか無限のうちでは一致するかもしれないなどと大胆な空....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
木の腰掛けが両側についてる狭いテーブルが二つ、食堂の一方から他の端まで二列の長い
平行線に置かれていた。壁は白く、テーブルは黒かった。それらの二つの喪色のみが、修....
「ジロリの女」より 著者:坂口安吾
反撥し、一目で敵意をもったり、狎れがたい壁をきずいたりするふうで、先ずどこまでも
平行線、恋など思いもよらぬ他人同志で終るべき宿命のものゝようだ。 だから、私が....
「物理的空間の成立まで」より 著者:戸坂潤
246)。無限大の直径を持つ円として回帰し得るような直線とは論理的野蛮に過ぎぬ。
平行線が永久に交らないということを逆にして
平行線は無限遠点で交わると云い換えるこ....
「オフェリヤ殺し」より 著者:小栗虫太郎
き合っているだろう。だから、花弁が散って来て、その反映がチラチラ明滅すると、柱の
平行線が、かわるがわる傾いで行くように見えるのだ。確か、三十年程前ライプチッヒ劇....
「明治の戦争文学」より 著者:黒島伝治
るものである。岩野泡鳴には凱旋将軍を讃美した詩がある。 自然主義運動に対立して
平行線的に進行をつゞけた写生派、余裕派、低徊派等の諸文学(夏目漱石などその門下、....
「チェーホフ試論」より 著者:神西清
いのだ。愛とチェーホフとの間隔は、終始一貫のびも縮みもしていない。永遠なる二本の
平行線が、おそろしく単調な透視図を形づくっているだけだ。これが恋なら、よほどおか....