平謝り[語句情報] » 平謝り

「平謝り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

平謝りの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
は早くあやまれと万力に注意して、自分も口を添えて詫びた。万力も幾たびか頭を下げて平謝りにあやまった。こっちの弱味に付け込んで、相手はこの刀を大川に投げ込むぞとお....
河明り」より 著者:岡本かの子
心に感じた。 一時はひどく腹を立てても、結局、娘想いの父は、若い学者の家には、平謝りに謝って、結婚を思い切って貰った。若い学者はいくらか面当ての気味か、当時女....
猿飛佐助」より 著者:織田作之助
吹かれたゆえ、佐助様は逃げておしまいになられました」 三好はかえす言葉もなく、平謝りに謝りながら、楓と連れ立って佐助もとめての旅を続けねばならぬ羽目になったと....
」より 著者:島崎藤村
直な人サ――それは気分が優いなんて――自分が悪かったと思うと、私の前へ手を突いて平謝りに謝る。私は腹が立つどころか、それを見るともう気の毒に成ってサ……ですから....
旅愁」より 著者:横光利一
いや、呼鈴がないのでこれを引いてみただけだ。どうも失敬失敬。」 とフランス語で平謝りに謝罪した。一同ようやく汽車を停めたのは久慈だと分ったらしく、今に一大事が....
艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
立ち上って帰ろうとしました。それを見た松平家の家来たちは、てんでに言葉をつくして平謝りに謝りました。このまま探幽を帰しては、居合す家来たちの大きな手落となると聞....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
ってるわけね。』 『そうさ。だからちっとも不思議には思わないで、そのかわり、ただ平謝りにあやまって行った。本人になりかわって――というところがあったね。レムにき....
灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
は云った。 「お母さんに云いつけます」 この言葉で私はすっかりまいってしまい、平謝りに謝った。先生は、私の机の中にのこっていたものを一切文具屋に返しに行ってく....
二階から」より 著者:岡本綺堂
ない方であった。諄くもいう通り、甚く温順い女で、少し粗匆でもすると顔の色を変えて平謝りに謝まった。 彼女は「だいなし」という詞を無暗に遣う癖があった。ややもす....
三国志」より 著者:吉川英治
ゃ。その者の首を刎ねて、陣中に高札し、足下の冤をそそぐから、胸をなでてくれ給え」平謝りに謝って、袁術は自分の命惜しさに、前に自分へ向って、兵糧止めを進言した隊中....
」より 著者:吉川英治
ち夫婦を、板ばさみにして、腹癒せする気かっ」 二人の言い条である。 彦太は、平謝りに謝った。その話は、時間と無言のうちに、解消されて、伯父夫婦も忘れ去った事....