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「平首〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

平首の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
偸盗」より 著者:芥川竜之介
ほうり投げると、そのあとを追って、頭をめぐらす野犬のすきをうかがって、身軽く馬の平首へおどりついた。太郎もまたその刹那《せつな》に猿臂《えんび》をのばし、弟の襟....
首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
う莫迦《ばか》だろう。」 何小二はその唸り声の中にこんな意味を含めながら、馬の平首《ひらくび》にかじりついて、どこまでも高粱の中を走って行った。その勢に驚いて....
神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
がいい。いつまでも待っているからね。さあおいでよ!」 と云いながら、君江は馬の平首を打った。 君江の言葉を聞き分けたからか、ないしは打たれて驚いたからか、馬....
ああ玉杯に花うけて」より 著者:佐藤紅緑
い着て葦毛の馬に乗り、重籐の弓を持ってたかの切斑の矢を負い、くわ形のかぶとを馬の平首につけたのはあれは楠正行じゃ」 とおじいさんがいった。 「ああそうですか、....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
なな》きながら引き出されました。同じ国内から選び出された騎手は武者振いして、馬の平首を撫でながら、我こそという意気を眉宇《びう》の間にかがやかしています。けれど....
狐火」より 著者:豊島与志雄
……というほどでもなく、小さな雨が降り初めたようだった。彼は時々立止っては、馬の平首を手で撫でてやった。 平兵衛の立場茶屋から半里ばかり行ったところに、昼間で....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
い」 「ですから、二人して、口輪を把って参りましょう」 と、お通と兵庫は、駒の平首を挟んで、両側から口輪を持ち合った。 坂を降りるほど、道は暗くなった。空は....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
あげるぜ」 「なに、これは、手放すわけにはゆかない品なんで」 と、眼八、のみの平首に拇指を当てて、ピカリと、ひとつ引っくり返した。 「これや、私が徳島の城下は....
三国志」より 著者:吉川英治
り奔濤は渓潭を噛み、岸に立つや否、馬いななき衣は颯々の霧に濡れた。 玄徳は馬の平首を叩いて、 「的盧的盧。汝、今日われに祟りをなすか、またわれを救うや。――性....
黒田如水」より 著者:吉川英治
いずれまた、ゆるりとお目にかかりましょう。これでお別れを」 手綱を寄せて、馬の平首を二つ三つかるく叩き、ひらりと鞍の上に移った。 彼は馬上からふたたび地上を....