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年が年中
「年が年中〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
年が年中の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「竜」より 著者:芥川竜之介
し》が一人居りました。しかもその鼻の先が、まるで蜂にでも刺されたかと思うくらい、
年が年中恐しくまっ赤なのでございます。そこで奈良の町のものが、これに諢名《あだな....
「虚構の春」より 著者:太宰治
前。貧家。座敷。洋館なぞで、これがどの狂言にでも使われます。だから床の間の掛物は
年が年中朝日と鶴。警察、病院、事務所、応接室なぞは洋館の背景一つで間に合いますし....
「坊っちゃん」より 著者:夏目漱石
。しかもそれが赤シャツだから人を馬鹿《ばか》にしている。あとから聞いたらこの男は
年が年中赤シャツを着るんだそうだ。妙な病気があった者だ。当人の説明では赤は身体《....
「文芸の哲学的基礎」より 著者:夏目漱石
であります。これはけっして悪口ではありません、御拾いも時々は結構であります。ただ
年が年中足を擂木《すりこぎ》にして、火事見舞に行くんでも、葬式の供に立つんでも同....
「現代日本の開化」より 著者:夏目漱石
兵とは馬に乗るものである。これも御尤《ごもっとも》には違ないが、いくら騎兵だって
年が年中馬に乗りつづけに乗っている訳にも行かないじゃありませんか。少しは下りたい....
「道草」より 著者:夏目漱石
古ぼけた家に住んでいるのである。 四 この姉は喘息持《ぜんそくもち》であった。
年が年中ぜえぜえいっていた。それでも生れ付が非常な癇性《かんしょう》なので、よほ....
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
を立てたぎり挨拶もしない。「何おめでてえ? 正月でおめでたけりゃ、御めえなんざあ
年が年中おめでてえ方だろう。気をつけろい、この吹《ふ》い子《ご》の向《むこ》う面....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
した成績を見なければ、だらけてしまう。夏は自然の「ヤンキーズム」だ。而して此夏が
年が年中で、正月元日浴衣がけで新年御芽出度も困りものだが、此処らの夏はぐず/\す....
「極楽」より 著者:菊池寛
もう、何十年振かにおかんは、そんな疑問を宗兵衛に訊いて見た。その宗兵衛の顔さえ、
年が年中五寸と離れない所にあるので、此頃は何となく鼻に付きかけて居る。 「くどい....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
当暑き夏と、相当さむき冬と、ちょうどよきところの春と秋とを持つ。』 『ひゃあっ!
年が年中べらぼうに暑いってえじゃありませんか。うそですか?』 『否。そは断じて事....
「十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
ことがあるのです。それはお母様とお父様なのです。まあどうでしょうお父様と来ては、
年が年中|離座敷ばかりにいて一度として主屋へはいらっしゃらない。一度として戸外へ....
「再度生老人」より 著者:佐左木俊郎
た大根のような感じのする女で、顔中に小さな皺がいっぱいあった。そして右の頬には、
年が年中、丸い一銭銅貨大の紙が貼ってあった。で彼女は、貼り紙おばと渾名されていた....
「誤った鑑定」より 著者:小酒井不木
かなかった。ところが、彼女は非常な山だしの御転婆で、夏はいつも跣足で歩きまわり、
年が年中、髪を結ったことがなく、房々とした金髪は、波を打って肩の上に垂れかかり、....
「おせん」より 著者:邦枝完二
え」 「ふん、物の値打のわからねえ奴にゃかなわねえの。女の身体についてるもんで、
年が年中、休みなしに伸びてるもなァ、髪の毛と爪だけだぜ。そのうちでも爪の方は、三....
「五重塔」より 著者:幸田露伴
、打つ墨縄の曲ることはあれ万が一にも後れを取るようなことは必ず必ずないと思えど、
年が年中長屋の羽目板の繕いやら馬小屋|箱溝の数仕事、天道様が知恵というものを我に....