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年の暮
「年の暮〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
年の暮の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
ァラデーの舅のバーナードが宥めたので、ファラデーは断わるのだけはやめた。 この
年の暮近くになって、総理大臣メルボルン男からファラデーに面会したいというて来た。....
「トロッコ」より 著者:芥川竜之介
りが遅くなるとわれ」 良平は一瞬間|呆気にとられた。もうかれこれ暗くなる事、去
年の暮母と岩村まで来たが、今日の途はその三四倍ある事、それを今からたった一人、歩....
「年末の一日」より 著者:芥川竜之介
お墓だった。僕はもう半年ほど前に先生の愛読者のK君にお墓を教える約束をしていた。
年の暮にお墓参りをする、――それは僕の心もちに必ずしもぴったりしないものではなか....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
を僕に贈ったのは或若い事業家だった。彼はいろいろの事業に失敗した揚句、とうとう去
年の暮に破産してしまった。僕は高い空を見上げ、無数の星の光の中にどのくらいこの地....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
があって、それが新蔵とは一年越互に思い合っていたのですが、どうした訣《わけ》か去
年の暮に叔母の病気を見舞いに行ったぎり、音沙汰もなくなってしまったのです。驚いた....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
れから始まったのである。 彼がロンドン大学予備科の教授に就任したのは、一八七〇
年の暮で、爰でも彼の人格と、学力とは、彼をして学生達の輿望の中心たらしめた。モー....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
その風説がないようでございますね。 有っても一向|心懸のございません僕なんざ、
年の暮に、太神宮から暦の廻りますまでは、つい気がつかないでしまいます。もっとも東....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
で。……ちょっと、それにお恥かしいんだけど、電車賃……」 (お京さんから、つい去
年の暮の事だといって、久しく中絶えたお妻のうわさを、最近に聞いていた。) お妻....
「二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
ここの露地口に立つ、狩猟服の若い紳士たちは、失礼ながら、犬ころしに見える。 去
年の暮にも、隣家の少年が空気銃を求め得て高く捧げて歩行いた。隣家の少年では防ぎが....
「去年」より 著者:伊藤左千夫
。そうして去年は暮れた。 不幸ということがそう際限もなく続くものでもあるまい。
年の暮れとともに段落になってくれればよいがと思っていると、息はく間もなく、かねて....
「野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
である。 この年の暑中休みには家に帰らなかった。暮にも帰るまいと思ったけれど、
年の暮だから一日でも二日でも帰れというて母から手紙がきた故、大三十日《おおみそか....
「守の家」より 著者:伊藤左千夫
実際は自分が何歳《いくつ》の時の事であったか、自分でそれを覚えて居たのではなかった。自分が四つの
年の暮であったということは、後に母や姉から聞いての記憶であるらしい。 煤掃《す....
「沼畔小話集」より 著者:犬田卯
たそうである。翌くる日浩さんはまたやって来た。いくら位要るのだと訊ねると、彼は、
年の暮で、どうも……と濁している。結局半年分、いや十円もあればどうやら越せるのだ....
「端午節」より 著者:井上紅梅
れは無理もないことだ。わたしと金永生は元から深い識合いではなかった。彼は続いて去
年の暮れのことを思い出した。そのとき一人の同郷生が十円借りに来た。彼は明かにお役....
「昔尊く」より 著者:上村松園
たしました。火事でただ一つ焼け残ったお茶々の壺を抱いて移転したわけです。 その
年の暮、ただ一人の私の姉は嫁ぐことになりまして、何かとそれまで我儘に暮しました私....