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年の雪
「年の雪〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
年の雪の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「高山の雪」より 著者:小島烏水
子のように、むやみに雪を盛り上げたのがあるけれども、あれは誤りである。
もし毎
年の雪の量を、測量して見たいと思う人があったら、雪の上に、適宜な印をつけて置くこ....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
うに枝に残った郷里の家の庭を想像し、木小屋の裏につづく竹藪を想像し、その想像を毎
年の雪に隠れひそむ恵那山連峰の谿谷にまで持って行って見た。 とうとう、半蔵は東....
「ピムキン、でかした!」より 著者:宮本百合子
。ちょっと左へ小丘をのぼったところに村ソヴェトの建物がある。赤いプラカートが、毎
年の雪にさらされて木目をうき上らした羽目の上に張られている。 ビリンスキー村が....
「道標」より 著者:宮本百合子
ツァルトを自分のこころの世界のなかに同感した。
その演奏会があったのは一九二八
年の雪のつもった日曜の午後だった。雪道をきしませてホテルへかえって来ながら伸子は....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
Mais ou` sont les neiges d'antan?〕
(さあれ去
年の雪は今いずこ?)
という有名な詩句も、隠語の一句である。antan ――....
「博物誌」より 著者:岸田国士
るなら踏んでみろと言わんばかりである。 La Pie 彼女の羽には、いつでも去
年の雪が幾らか消え残っている。 彼女は両脚を揃えて地べたの上を跳び回り、それか....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
ず》、側用取次と順々に送られ、お待ちかねの将軍が、これを器《うつわ》に盛って、今
年の雪は、ことのほか冷たいの、などと御賞美なさる。 さて、加賀さまのお氷が西の....
「岩魚」より 著者:佐藤垢石
に、攫われて行くのであると村人は信じているのであるという。 四 昭和二十一
年の雪解けの季節、つまり今年のゆく春のころである。賢彌は、村の青年たち数人と共に....
「水と骨」より 著者:佐藤垢石
に近い玉石底の矢倉石の裏に産卵するのであるが、水温が低くなって十二月半ばから、翌
年の雪解水の終わろうとする五月下旬までが一番おいしいのである。柔らかくて頭も骨も....
「雪の武石峠」より 著者:別所梅之助
のお雑煮《ぞうに》おそく、十一時すぎにやっと宿を出た。一路ただ東へと。案内者は去
年の雪の多かった事、腰まであって、あがきがとれず、美術学校の人の供をして、朝の十....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
れば草の色も新たに、牧野も田畑も家をめぐって緑一色に塵もない。連なる山々はみな千
年の雪をいただき、その白さが天空に映える南米の春である。) 村落の家は概して陋....
「狐」より 著者:永井荷風
んぼう》、鳶の清五郎は鳶口《とびぐち》、折から、少《すこし》く後《おく》れて、例
年の雪掻きにと、植木屋の安が来たので、此れ亦《また》、天秤棒に加わる事となった。....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
年劒へ登った時よりも反て少ないように思われたが、地獄谷から室堂方面に眼を放つと今
年の雪の多いことが首肯かれる。岩と緑とそして残雪とに按配された美しい山谷の模様は....