年を経る[語句情報] » 年を経る

「年を経る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

年を経るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
デンマルク国の話」より 著者:内村鑑三
ェー産の樅のあいだに植えましたときに、奇なるかな、両種の樅は相いならんで生長し、年を経るも枯れなかったのであります。ここにおいて大問題は釈《と》けました。ユトラ....
婦系図」より 著者:泉鏡花
という註文で、伝え聞くかの大詩聖は、ある時シルレルと葡萄の杯を合せて、予等が詩、年を経るに従いていよいよ貴からんことこの酒のごとくならん、と誓ったそうだわね、と....
茶の本」より 著者:岡倉覚三
たものであろう。八〇一年には僧|最澄茶の種を携え帰って叡山にこれを植えた。その後年を経るにしたがって貴族|僧侶の愛好飲料となったのはいうまでもなく、茶園もたくさ....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
を生け捕らせ、毎日それを毬場へ放して、犬に逐わせるのを楽しみとしていた。こうして年を経るうちに、百数頭を捕殺した。 後に一頭の疥のある狐を捕えて、例のごとく五....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
るわけでもなかったのです。しかし習慣というものは怖ろしいもので、それがだんだんに年を経るにしたがって、机の上に人形がないと何んだか物足らないような気分で、ひどく....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
ったのである。 烏龍 会稽の句章の民、張然という男は都の夫役に徴されて、年を経るまで帰ることが出来なかった。留守は若い妻と一人の僕ばかりで、かれらはいつ....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
附き合いからも、画虎の軸や屏風を贈って来るのを例とするようになった。こうして、幾年を経るあいだに、自宅の座敷も台所も寝間も一面に画虎を懸けることになって、近所の....
ヒルミ夫人の冷蔵鞄」より 著者:海野十三
くりなくも、愕くべき第二のビッグ・アイデアを思いついたからだ。恐らく妾は今後二十年を経るまでは、夫万吉郎のバラバラ肢体を組立てはしないだろう。二十年経つまでは、....
南蛮秘話森右近丸」より 著者:国枝史郎
さあさあご覧、独楽廻し!」 「これは万歳と申しまして、鶴は千年の寿を延べ、亀は万年を経るとかや、それに則った万歳楽、ご覧なされい、ご覧なされい」 「仰々神楽の始....
経帷子の秘密」より 著者:岡本綺堂
りではなく、酒屋である。先祖は小田原北条の浪人井戸なにがしで、ここに二百四、五十年を経る旧家と誇っているだけに、店も大きく、商売も手広く、ほかに広大の土地や田畑....
くろん坊」より 著者:岡本綺堂
この黒ん坊について、かつて私に話してくれたことがある。若いときに聞かされた話で、年を経るままに忘れていたのであるが、「享和雑記」を読むにつけて、古い記憶が図らず....
迷信解」より 著者:井上円了
の髑髏たちまち落つるに、また拾いあげて頂に載せ、右のごとく幾回となく繰り返し、数年を経る間には、北斗を拝しても頂の髑髏の落ちざるようになる。そのとき、北斗を百遍....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
性です。中性というのは男性的なところも、女性的なところもあるものです。 それが年を経るに従って、男性、女性を発揮して参ります。男性には剛健の肉体、鬱勃たる勇気....
融和問題に関する歴史的考察」より 著者:喜田貞吉
れば、地方官もそれに課役をかけることはできません。かくてこの課役忌避の偽法師が、年を経るにしたがって大層たくさんにできました。延喜といえば今から千十余年の昔です....
持ち味を生かす」より 著者:北大路魯山人
らねばならぬ。神様が人間に下し給うたとみるべき人間食物の個々の持ち味は、残念でも年を経るに従って、人間の猪口才がすべてを亡ぼしつつあるようだ。 例えば砂糖の乱....