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「年を越す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

年を越すの前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
道草」より 著者:夏目漱石
の姉、細君の父、どれを見ても、買えるような余裕のあるものは一人もなかった。みんな年を越すのに苦しんでいる連中《れんじゅう》ばかりであった。中にも細君の父は一番|....
」より 著者:夏目漱石
の忙がしさには違なかったので、あるいはいつも通りの準備さえ抜いて、常よりも簡単に年を越す覚悟をした宗助は、蘇生《よみがえ》ったようにはっきりした妻《さい》の姿を....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
年内には帰らなければならないと云っていたが、それがだんだんに延びてとうとうここで年を越すことになった。三ガ日がすんで、四日の日は是非たつと云っていたが、その前日....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
材料を土台として、自分が直接に調べあげて見なければ気が済まないので、澹山はここで年を越すことにした。千倉屋ではいよいよ鄭重に取り扱ってくれた。 十一月になって....
仮装人物」より 著者:徳田秋声
けながらも、けちをつける隙もなくて、黙って見ていた。 その時葉子は、庸三の家で年を越すつもりで、ちょうど瑠美子を連れて来ていた。庸三の長女は女中を相手に春の用....
鏡餅」より 著者:宮本百合子
はげしい大晦日の往来へ出た。 夜に入ってからサエは、佐太郎夫婦の家へ行ってこの年を越す気になった。 暗い梯子を軋ませて二階へあがり、唐紙をあけたら、火鉢をか....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
これは困りますから。五日に林町で皆立ち、それ迄にいろいろのうち合わせがあります。年を越す用意してゆくらしいから。それもいいでしょう。こちらも私はかえりますでは相....
好意」より 著者:豊島与志雄
或人の頼みで苦心に苦心を重ねて仕上げたもので、その報酬を方々に割りあててどうにか年を越す予定にしていたものである。それが差押えられては、無一文のままで年末と正月....