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「年上〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

年上の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
子供の病気」より 著者:芥川竜之介
はとかく神経にさわり勝ちだった。のみならず多加志が泣きやんだと思うと、今度は二つ年上の比呂志《ひろし》も思い切り、大声に泣き出したりした。 神経にさわることは....
黒衣聖母」より 著者:芥川竜之介
を計ってやった事がありました。その礼心《れいごころ》だったのでしょう。稲見はある年上京した序《ついで》に、この家《いえ》重代《えじゅうだい》の麻利耶観音を私にく....
」より 著者:芥川竜之介
ものだから、角砂糖。ETC. ETC. この店にはお君さんのほかにも、もう一人年上の女給仕がある。これはお松《まつ》さんと云って、器量《きりょう》は到底お君さ....
お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
食卓に布巾《ふきん》をかけていた。電話を知らせたのはもう一人の、松《まつ》と云う年上の女中だった。松は濡れ手を下げたなり、銅壺《どうこ》の見える台所の口に、襷《....
少年」より 著者:芥川竜之介
》の処女航海をさせていたのである。そこへ客か何か来たのであろう、鶴《つる》よりも年上の女中が一人、湯気《ゆげ》の立ちこめた硝子障子《ガラスしょうじ》をあけると、....
百合」より 著者:芥川竜之介
た目を送った。 「五年ねえ? 十年くらいずらじゃ。」 「十年! 十年ってわしより年上《としうえ》かね?」 「そうさ。お前さんより年上ずらじゃ。」 「じゃ花が十《....
或る女」より 著者:有島武郎
の目を開いた。そしてその心はそれ以来峰から峰を飛んだ。十五の春には葉子はもう十も年上な立派な恋人を持っていた。葉子はその青年を思うさま翻弄《ほんろう》した。青年....
女仙」より 著者:芥川竜之介
ませんか!――」 書生は彼女の手を抑え、熱心にたしなめにかかりました。 「第一年上のものを擲るということは、修身の道にもはずれている訣です。」 「年上のものを....
婦系図」より 著者:泉鏡花
空に開いたよう、溌と麗な日を浴びた色香は、百合よりも芳しく、杜若よりも紫である。年上の五年級が、最後に静々と出払って、もうこれで忘れた花の一枝もない。四五人がち....
木の子説法」より 著者:泉鏡花
した、少し言葉尻の上る、声に歯ぎれの嶮のある、しかし、気の優しい、私より四つ五つ年上で――ただうつくしいというより仇っぽい婦人だったんです。何しろその体裁ですか....
小春の狐」より 著者:泉鏡花
。 はかない恋の思出がある。 もう疾に、余所の歴きとした奥方だが、その私より年上の娘さんの頃、秋の山遊びをかねた茸狩に連立った。男、女たちも大勢だった。茸狩....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
前の茶店か何かで、一本傾けて参ろうかな。(どうだ、喜多八。)と行きたいが、其許は年上で、ちとそりが合わぬ。だがね、家元の弥次郎兵衛どの事も、伊勢路では、これ、同....
黒百合」より 著者:泉鏡花
るでもなく、モウセンゴケに並べてある贈物を見るでもなく、目の遣り処に困った風情。年上の澄ました中にも、仇気なさが見えて愛々しい。顔を少し赤らめながら、 「ただ上....
母を尋ねて三千里」より 著者:アミーチスエドモンド・デ
て妻をさがしてこようかと考えました。けれども父親は働かねばなりませんでした。一番年上の子も今ではだんだん働いて手助をしてくれるので、一家にとっては、はなすわけに....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
他家の部屋借をして、避暑かたがた勉強をしている、小学校から兄弟のように仲よくした年上の友だちに相談をして行ったんですから。あるいは希望が達しられるかも知れないと....