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「年功〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

年功の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
外套」より 著者:ゴーゴリニコライ
ころのものは、他ならぬ己れの同僚たち、くちさがない連中の言い草ではないが、胸には年功記章、腰には痔疾にすぎなかった。とはいえ、彼に対して何の注意もはらわれなかっ....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
は事かわって、敬四郎は年ももうおおかた四十に手が届こうという年配であり、その経験年功からいってはるかに右門なぞには大先輩の同心でありましたから、後輩もずっと後輩....
ふもれすく」より 著者:辻潤
って幾年か暮らしている間に、僕の青春は乾涸びかけてしまった。二十三や四でもう先の年功加俸だのなにかの計算をして暮らしているような馬鹿の仲間入りをしていたら、人間....
最終戦争論」より 著者:石原莞爾
を保護したものに対しては勲章を賜わるようお願いする。現在では勲章は主として官吏に年功によって授けられる。自由主義時代ならば、国家の統制下にある官吏が特別の恩賞に....
映画界手近の問題」より 著者:伊丹万作
ある。 映画会社には恩給制度、退職手当に関する制度がほとんど行なわれていない。年功による昇給に関する確然たる規定がない。賞与に関する規定がない。 規定がない....
天主閣の音」より 著者:国枝史郎
老、成瀬隼人正をはじめとし、竹越山城守、渡辺飛騨守、石河東市正、志水甲斐守、歴々年功の家来もあったが、傍観するより仕方なかった。 それに諫言するにしても、これ....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
になっちゃ、第一そうは諸藩の財政が許すまい。」 しかし、その結果は。六十三年の年功を積んだ庄屋吉左衛門にも、それから先のことはなんとも言えなかった。その時、吉....
田舎教師」より 著者:田山花袋
校長の気焔がそろそろ出始めた。 大島さんがこれに相槌をうった。各小学校の評判や年功加俸の話などが出る。郡視学の融通のきかない失策談が一座を笑わせた。けれど清三....
敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
落着け、確と面体を認めてから静かに討たんければ成らぬ、殊に汝は剣術が出来てもまだ年功がなし年も往かぬから其の痩腕では迚も又市には及ばぬ、私も共に討たんでは成らぬ....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
じゃないか」 こう云われて政子は気色ばみ、あわや兄妹の喧嘩になりかける形勢に、年功の周信、これはマズイと悟ったらしく、にわかに切りあげて、三人組は荷車と一しょ....
一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
もかかわる一大事でありました。 初め中村屋を株式組織に改めた時、私たちは店員の年功者に一銭の払い込みもさせず、株式を贈与しました。それゆえその人たちは株主とな....
二人町奴」より 著者:国枝史郎
啼声ばかりが際立って聞こえる。 土岐与左衛門これも免許、その流儀は無念流しかも年功場数を踏み、心も老獪を極めている。 相手の構えを睨んだが、 「油断はならぬ....
あるニュウ・フェイスへの手紙」より 著者:岸田国士
りながら、舞台に立つと全く素人の域を出ないものが事実あり、舞台俳優としては相当の年功を積んだものが、スクリーンでは見るに堪えない芝居をするという場合が屡々あり、....
九段」より 著者:坂口安吾
の女中たちすら指摘するところである。対塚田の名人戦に現れた思いあがりが、さすがに年功をつみ、それを抑えて控え目に、露骨ではなくなっていても、胸の浮きたつ思い、軽....
審判」より 著者:カフカフランツ
取るに足りないいちばん下っ端の行員なので、彼らに近づくことはきわめてむずかしい。年功の力以外によっては彼らは昇進できないだろうし、この点でさえほかの誰よりも手間....