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「年増〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

年増の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
将軍」より 著者:芥川竜之介
びょうぶ》のほかに、火のともった行燈《あんどう》が置いてあった。そこに頬骨の高い年増《としま》が一人、猪首《いくび》の町人と酒を飲んでいた。年増は時々|金切声《....
義血侠血」より 著者:泉鏡花
「ちょいと、お隣の長松《ちょうまつ》さんや、明日《あした》はどこへ行きなさる?」年増《としま》の抱《いだ》ける猿《さる》の頭を撫《な》でて、かく訊《たず》ねしは....
婦系図」より 著者:泉鏡花
んと分るよ、五度とは言わない。」 「何も母様に交際うには当らんじゃないか。せめて年増ででもあればだが、もう婆さまだ。」 と横を向いて、微笑んで、机の上の本を見....
貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
」 「おお、そか、この町の旅籠じゃよ。」 「ええ、その番頭めが案内でしゅ。円髷の年増と、その亭主らしい、長面の夏帽子。自動車の運転手が、こつこつと一所に来たでし....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
を、部厚な釜の蓋にちょっと載せたが、丸髷をがっくりさした、色の白い、歯を染めた中年増。この途端に颯と瞼を赤うしたが、竈の前を横ッちょに、かたかたと下駄の音で、亭....
女客」より 著者:泉鏡花
きり描き出された、上り口の半身は、雲の絶間の青柳見るよう、髪も容もすっきりした中年増。 これはあるじの国許から、五ツになる男の児を伴うて、この度上京、しばらく....
開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
と、やあ、化けて来た。いきなり、けらけらと笑ったのは大柄な女の、くずれた円髷の大年増、尻尾と下腹は何を巻いてかくしたか、縞小紋の糸が透いて、膝へ紅裏のにじんだ小....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
うか……お伽堂の店番を。 三 何、別に仔細はない。客引に使った中年増でもなければ、手軽な妾が世間体を繕っているのでもない。お伽堂というのは、この....
黒百合」より 著者:泉鏡花
子で言って、ほほと笑った。鉄漿を含んだ唇赤く、細面で鼻筋通った、引緊った顔立の中年増。年紀は二十八九、三十でもあろう、白地の手拭を姉さん被にしたのに額は隠れて、....
怨霊借用」より 著者:泉鏡花
。――女中の影がむらむらと帳場へ湧く、客たちもぞろぞろ出て来る。……血の道らしい年増の女中が、裾長にしょろしょろしつつ、トランプの顔を見て、目で嬌態をやって、眉....
瓜の涙」より 著者:泉鏡花
が集ろう……さし捨のおいらん草など塵塚へ運ぶ途中に似た、いろいろな湯具|蹴出し。年増まじりにあくどく化粧った少い女が六七人、汗まみれになって、ついそこへ、並木を....
白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
が伸びていたそうで。京都へ着いた時迎いに来てくれました、路之助の番頭と一所だった年増の芸妓が、追って酒宴の時、意見をしてくれましたよ。あれは見っともない、先陣の....
葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
わがものにして、三月ばかり前までは、出稼の留守を勤め上りの囲物、これは洲崎に居た年増に貸してあったが、その婦人は、この夏、弁天町の中通に一軒|引手茶屋の売物があ....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
一足おくれて、金沢の城下の方から、女たち七人ばかりを、頭痛膏を貼った邪慳らしい大年増と、でっくり肥った膏親爺と、軽薄らしい若いものと、誰が見ても、人買が買出した....
三枚続」より 著者:泉鏡花
ばら銭じゃあ聞かせないんだよ。)ッて言いましたぜ、先生、御存じじゃありませんか、年増で縁日を稼ぐ癖に、好い女でさ。」 ここに愛吉が金之助に話したことは、ちょう....