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年始
「年始〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
年始の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
ている彼の友だちを羨望《せんぼう》した。現に小学へはいった頃、年の若い彼の叔母は
年始か何かに来ているうちに乳の張ったのを苦にし出した。乳は真鍮《しんちゅう》の嗽....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
か、挨拶《あいさつ》のしように困るのだった。
「つきましては今日《こんにち》は御
年始かたがた、ちと御願いがあって参りましたんですが、――」
「何でございますか、....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ないから正直に四谷赤坂麹町まで回礼をしてあるくわけで、春早々から麹町や赤坂などの
年始廻りをしているのは野暮《やぼ》な奴だというようなことになっていたんです。しか....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
神田の鉄物屋まで出向いて行った。 近江屋には同類の石坂屋由兵衛と錺職の源次とが
年始に来ていた。丁度いいところだと奥へ通されて、日の暮れるまで五人が酒をのんでい....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
五十銭にて買い来りし紙鳶をあげてよろこびしが、遂に自作を始めたり。 ◯坪内和夫君
年始に第一の客として入来。 ◯楽ちゃんも
年始に。 ◯夜子供のため、凧に絵をかく。....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
四十余年前の銀座である。その記憶を一々ならべ立ててもいられないから、ここでは歳末
年始の風景その他を語ることにする。 由来、銀座の大通りに夜店の出るのは、夏の七....
「爆薬の花籠」より 著者:海野十三
庫へ下る途中の通路であった。 BB火薬とニーナ嬢! BB火薬というものは、昨
年始めてメキシコのある化学研究所でつくられた、おそるべき強力なる爆薬であった。そ....
「健康三題」より 著者:岡本かの子
もつまらないし、人によっては同性愛なんてけちをつけまいものでもなし――結婚したら
年始状以外に私へ文通するでは無いと、結婚前にあれほどくどく言ったじゃないか。それ....
「妖怪学」より 著者:井上円了
御札も、一つは人の心を安んじ精神を強くするによりて、多少効験もあるなり。例えば、
年始に立春大吉の三字を書したるものを懐中にするか、またはこれを手に書きて固く握り....
「十番雑記」より 著者:岡本綺堂
過ぎるのも何だか心苦しいので、震災後まだほんとうに一身一家の安定を得ないので歳末
年始の礼を欠くことを葉書にしたためて、年内に発送することにした。その外には、春に....
「正月の思い出」より 著者:岡本綺堂
である。近所の人はすでに知っているが、他の人々は何にも知らないので、早朝から続々
年始に来る。今日と違って、年賀郵便などのない時代であるから、本人または代理の人が....
「扉の彼方へ」より 著者:岡本かの子
した。 結婚後一ヶ月目の年の暮から、私をこの海岸の旅館に寄越して置いて、自分は
年始廻りやら、正月の交際を済まして五日の日に宿へ来た彼は、割合に荷嵩な手荷物やら....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
ら五銭でもちを買い、形ばかりの「ぞうに」をひとりで祝って三ヵ日をすごしたものだ。
年始がてらにやってきた向かいのばあさんに、子供を連れて実家に戻った娘の縁談を持込....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
昨年の末感ずるところあり、京都で御世話になった方々及び部下の希望者に「戦争史大観」を説明したい気持になり、年末
年始の休みに要旨を書くつもりであったが果さなかった。正月に入って主として出張先の....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
二つ目通りから先は「津軽様」の屋敷だった。「御維新」前の或年の正月、父は川向うへ
年始に行き、帰りに両国橋を渡って来ると少しも見知らない若侍が一人偶然父と道づれに....