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「年季〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

年季の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
同様であるというので、彼女は今までにもお光にいろいろの物を送ってくれた。くるわの年季があければ八橋は自分の姉になるものとお光も思っていた。粗末ではあるが春着にで....
心中浪華の春雨」より 著者:岡本綺堂
れるまで無事に勤めていた。腕はにぶくもなかった。普通の丁稚とは違うものの、十年の年季をとどこおりなく済ましたら、裏家住みにしろ世帯を持たしてやると親方も親切にい....
鳥辺山心中」より 著者:岡本綺堂
、親許へ帰って孝行せい」 「一日も早くというて、それが今年か来年のことか。ここの年季《ねんき》は丸六年、わたしのような孱弱《かよわ》い者は、いつ煩ろうていつ死ぬ....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
の新参者だ。しかるにもかかわらず、新参者が初手から駕籠なんざあぜいたくすぎらあ。年季が積むまで修業しなきゃならねえから、かわいい弟分の兄弟つきあいだと思って、い....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
わりにこの守り袋お届け候まま、わが身と思うて、たいせつにご所持なさるべく、はよう年季勤めあげて、ご立身なさるよう、陰ながら祈りあげ候。次郎松どの――」 読み....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
た。彼は千次郎といって九つの春から市ヶ谷|合羽坂下の質屋に奉公していたが、無事に年季を勤めあげて、それから三年の礼奉公をすませて、去年の春から新宿に小さい古着屋....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
、この夏頃から毎晩のように入り込んでいたが、自分よりも年下で、しかもきのう今日の年季あがりの職人を、お秋はまるで相手にもしなかったので、彼はひどく失望した。こと....
三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
にもいう通り、半七さんの養父の吉五郎という人です。 その下手人はまだ前髪のある年季小僧で、人形町通りの糸屋に奉公している者でした。名は久松――丁稚小僧で久松と....
島原心中」より 著者:菊池寛
今年二十九の年になるまで、十年近く島原で、勤めているのだが、借金に追われて、まだ年季が明けないでいること、平生から陰気な沈んだ女であること、この頃郷里の方から、....
甲州鎮撫隊」より 著者:国枝史郎
ゃア貴女……」 「鋏づかい随分器用ね」 「これで生活ているんでさア」 「ずいぶん年季入れたの」 「へい」 木蘭は、その大輪の花を、空に向かって捧げているし、海....
蜘蛛の夢」より 著者:岡本綺堂
ざいます。兄は十九で京橋の布袋屋という大きい呉服屋さんへ奉公に出ていまして、その年季のあけるのを母は楽しみにしていたのでございます。 叔父は父の弟で、わたくし....
戦後合格者」より 著者:坂口安吾
、事に当って多少とも紳士的な兵隊などを作ることはできない筈だ。日本を見よ。相当に年季を入れて兵隊を仕込んでいながら、決して紳士的な兵隊を作ることはできなかったで....
黄八丈の小袖」より 著者:岡本綺堂
た。退引ならない難儀を逃れるのには、寧そここを逃げて帰るに限るとも思った。しかし年季中に奉公先から無暗に逃げて帰ったら、物堅い両親が何と云うであろう。たといこの....
葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
用を取るだけでも、痛む腹のいいわけは出来ない仕誼。 随分それまでにもかれこれと年季を増して、二年あまりの地獄の苦がフイになっている上へ、もう切迫と二十円。 ....
雪女」より 著者:小泉八雲
武蔵の国のある村に茂作、巳之吉と云う二人の木こりがいた。この話のあった時分には、茂作は老人であった。そして、彼の年季奉公人であった巳之吉は、十八の少年であった。毎日、彼等は村から約二里離れた森....