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年恰好
「年恰好〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
年恰好の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「自叙伝」より 著者:大杉栄
をわざわざこう言って聞くのは、いずれ父を知っている男に違いない。その三十幾つかの
年恰好や、監獄の役人としては珍らしい快活さや、ことにその僕に親しみのある言葉の調....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
の事であった。 鍛冶屋街道を甲府の方へ、二人の老人が辿っていた。 同じような
年恰好、同じように道服を着、そうして二人ながら長髪であった。 一人は小太刀、一....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
十三さ。」 別に、中津は不思議がらなかった。 「あの娘ッ子は、君の子供ぐらいの
年恰好なんだよ。恐らく、君の三分の一しか年はとっていまい。」 「それがいゝんじゃ....
「浮動する地価」より 著者:黒島伝治
兄は高等小学を出たゞけで、それ以外、何の勉強もしていなかった。それでも、彼と同じ
年恰好の者のうちでは、誰れにも負けず、物事をよく知っていた。農林学校を出た者より....
「日本脱出記」より 著者:大杉栄
はしていたが、人間らしさは十分にあった。が、この兵隊どもになると、もういい加減の
年恰好で、豚のようにブウブウ唸りながらごろごろしている奴か、あるいは猛獣のような....
「母の上京」より 著者:坂口安吾
などをやつてゐたのを、夏川が知り合つて助けてやつたのだ。夏川よりも三ツ四ツ年上の
年恰好だが、これが今では夏川の親友で、この男が常々夏川にかう言つてゐたものである....
「現代忍術伝」より 著者:坂口安吾
ざんす。天草商事の秘書のお方でござんすか」 見たところ二十四五、雲隠才蔵と同じ
年恰好であるが、白衣の使者とちがうようだ。最新型の背広に赤ネクタイ、眉目秀麗の青....
「巷談師」より 著者:坂口安吾
はまだきいたことがない。 見たところパンパンと見分けがつかなくて、同じぐらいの
年恰好だ。 「コーダンの坂口さん? そうでしょう」 「……」 「そうでしょう? ....
「戯作者」より 著者:国枝史郎
しっちめえ」 女房が引っ込むと引き違いに一人の武士が入って来た。大髻に黒紋付、
年恰好は二十五六、筋肉逞しく大兵肥満、威圧するような風采である。小兵で痩せぎすで....
「仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
! そうとしか思われない。 それにしても何と二人の女は、その顔立から肉付から、
年恰好から同一なのであろう! そうして何とこの二人は、経歴から目的から同一なので....
「郷介法師」より 著者:国枝史郎
勢がする。 「郷介」と直家は意味あり気に、 「其方は今年二十二歳、姫とはちょうど
年恰好だ」 「殿、何を仰せられます」 郷介は眼瞼を紅くした。 「治部さえなくば....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
の問答を上の空のように、平然と聞き流している、女の姿を観察した。 三十がらみの
年恰好で、櫛巻に髪を結んで居り、絞りの単衣に黒繻子の帯、塗りの駒下駄を穿いている....
「短命長命」より 著者:黒島伝治
であった。 春月と同年の生れで春月より三年早く死んだ芥川龍之介は、、私くらいの
年恰好の者には文学の上でも年齢の上でもはるかに高いところにあると思われていた。今....
「曲亭馬琴」より 著者:邦枝完二
せに、本を漁ろう考えもなく、ただ酒ばかり飲んで、月日を後へ送ってる。同じくらいの
年恰好でも、馬琴とは天地の相違だ。可哀想だが、ちと腹を立てさせた方が、後々の為め....
「殺人迷路」より 著者:佐左木俊郎
た。あの娘が順調に生長していれば、丁度|二十歳前後、――当時の俊子と同じくらいの
年恰好になる」 「そうだ、そうだ。しかも、その顔かたちが、俊子と瓜二つに生長して....