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年暮
「年暮〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
年暮の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「虚構の春」より 著者:太宰治
の臭さも彼、許してくれてきましたようです。『春服』創刊から二号にかけて、ぼくは昨
年暮から今年の三月頃まで就職に狂奔《きょうほん》しました。幸い、ぼくは母方の祖父....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
ではないか。そういう自分には気がつかなかった。 ――デカンショ、デカンショと半
年暮す、ヨイヨイ……。 嵐踊《ストーム》がはじまったとき、赤井が教室へはいって....
「仇討三態」より 著者:菊池寛
ことが分かった。 慶びが重なったので、家中がひとしお春めいた。例年よりは見事な
年暮の下され物が、奉公人を欣ばした。五日の晩になって、年頭の客も絶えたので、奉公....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
い女房の目には映ったのであった。 作者が――謂いたくないことだけれど、その……
年暮の稼ぎに、ここに働いている時も、昼すぎ三時頃――、ちょうど、小雨の晴れた薄靄....
「若草物語」より 著者:オルコットルイーザ・メイ
エミイをほんとにかわいがってくれました。ばあやはフランス人で、マーチおばさんと長
年暮らし、おばさんもこのエスターをいなければならぬ人と思っていました。ばあやは、....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
こんでは説明している。後先をとりちがえないためである。 「本件に先立ちまして、昨
年暮に突発いたした奇怪事から申上げなければなりません。御記憶かと思いますが、昨年....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
川蝶八。手妻。同人妻金蝶。娘ラク三歳。 四月十一日横浜出帆。追々各地を廻り、同
年暮サンフランシスコ興行中、銀主三与吉の家族多勢なるを好まず、演芸に必要なる者を....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
十二年間余にわたり、最も変化に富む展開部に当る。第三巻は、一七九二年秋から翌九三
年暮までの一年数箇月間、革命の真最中のことであり、荒れ狂う終曲であると共に、全曲....
「三筋町界隈」より 著者:斎藤茂吉
切にして長崎に行った時にもやはり一しょに持って歩いていたほどであったが、大正十三
年暮の火災のとき灰燼になってしまった。私の書架は貧しくて何も目ぼしいものはなく、....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
子夫人は一口にいうと非常に洗練された社交的な女性だ。高貴な感情の持主で、その点昨
年暮正式に別れた先妻の徳川喜和子などとは全然タイプが違う。私はそういう彼女に愛情....
「入社試験」より 著者:佐藤垢石
着物を着ていたと記憶する。 私が入社した五、六年は、まだ大隈伯が頗る元気で、毎
年暮れになると社の会議室へ姿を現わし、社員を集めて一場の訓話を施す例になっていた....
「私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
は終り、ロシア革命などの影響もあってデモクラシーが思想界を風靡した時代で、大正七
年暮には東大に“新人会”が生まれた。早稲田でも東大に負けてなるものかと、同八年高....
「死児を産む」より 著者:葛西善蔵
というようにでも書き続けて行こうとも思って、夕方近くなって机に向ったのだったが、
年暮れに未知の人からよこされた手紙のことが、竦然とした感じでふと思いだされて、自....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
論とする戦争史観は脳裡に大体まとまっていたので、とりあえず何とか片付け、大正十五
年暮から十五回にわたる講義を試みたのであった。「近世戦争進化景況一覧表」(一二一....
「茂吉の一面」より 著者:宇野浩二
うな気がいたします、今度は少しく勉強して繰返して拝読せんと存じ居ります、いつか昨
年暮あたりの広津さんの貴堂の御文の評がありましたが、実に敬服しました。穂庵百穂評....