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「年賦〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

年賦の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
熊の出る開墾地」より 著者:佐左木俊郎
くだ》き、陽《ひ》が沈めば小屋に帰って眠《ね》るのだった。そして、四五年の後から年賦で返済する条件で、少しばかりの米と味噌と塩とが地主から貸し付けられるだけで、....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
合で二十年分、すなわち千両の扶助料をよこせと云うのである。しかも一年五十両ずつの年賦は不承知で、金千両の耳をそろえて一度に渡せと、次右衛門は迫った。理窟のようで....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
いるあいだに、千両ほどの金を使い込んで、すでに切腹にも及ぶべきところを、その金を年賦にして三年間に返納するということで、まずは無事に長の暇となったのである。しか....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
立て方も嵩むから、その手当てとして一宿へ金百両ずつを貸し渡されるよう。ただし十か年賦にして返納する。当時米穀も払底で、御伝馬を勤めるものは皆難渋の際であるから、....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
は候えども、御金二千両拝借仰せ付けられたく、御返上の儀も当|寅年より向こう二十か年賦済みにお救い拝借仰せ付けられ候わば、一同ありがたき仕合わせに存じ奉り候。以上....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
起など、それらの大口ものの調達を依頼されるごとに、伏見屋でも二百両、二百三十両と年賦で約束して来た御上金のことを取り出すまでもなく、やれお勝手の不如意だ、お家の....
杉垣」より 著者:宮本百合子
」 「だって――集合住宅なんでしょう? 小さいもんでもないのに。五十円ずつ十年の年賦にしたって……」 これから先の十年という年月の間、現在と同じ生活条件を動か....
道標」より 著者:宮本百合子
の建物は、モスク※に建った組合の建物の中じゃ、一番早かった部でしょう」 十年の年賦がすむと、その四つの部屋と浴室、共同の物干場をもったアパートメントはルイバコ....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
たという次第です。常識の補給にこんな話も致します。栄さんが鷺の宮へ家を建てて十年年賦で一万数千円だそうですが、制限内の三十坪何合で家をみるとしゃくにさわるから、....
椎の木」より 著者:豊島与志雄
と交渉して、椎の木のところ百五十坪だけを借り受けた。それも、よくは分らないが実は年賦で買い取る約束だとの話もある。いずれにせよ、椎の木のところ百五十坪を、年賦の....
家なき子」より 著者:楠山正雄
男は植木屋として必要な材料を買う金をもやはりかれに貸していた。その金額は十五年の年賦で、毎年しはらうはずであった。その男はしかもこの植木屋が支払いの期限をおくら....
南国太平記」より 著者:直木三十五
、こうして利を与えておいてから、大阪町人に借金している五百万両の金を、二百五十ヶ年賦で返す、という驚くべき方法をとった。孫兵衛は、人々に、どうせ取れぬ金だ、仕方....
荒蕪地」より 著者:犬田卯
ような……あれほど農産物の値上りは望めないまでも、多少なりとも景気が回復すれば、年賦にしてもらって十ヵ年もすれば皆済しうるであろう。 儀作をはじめ、これが一般....
文化史上より見たる日本の数学」より 著者:三上義夫
ても実用の問題が発達上に大いなる関係を有したことが知られる。貸借問題、利足問題、年賦問題、反別問題、銀と灰吹問題、築堤の問題、材積の問題、物価関係の問題、暦術の....
不在地主」より 著者:小林多喜二
織し、北海道庁から「補助金」や「低利資金」の融通を受ける。拓殖銀行は特別低利で「年賦償還貸付」をした。北海道拓殖のためだった。――その工事は「監獄部屋」に引受け....